世界の王誕生の舞台裏…広岡氏が荒川さん推薦「この人なら間違いない」

[ 2016年12月5日 08:30 ]

荒川博氏死去 ( 2016年12月4日 )

巨人OB会総会の会場入りする広岡氏
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 3カ月ほど前、荒川さんから珍しく電話がかかってきて「巨人がだらしないから一緒に練習を見に行って文句を言ってやろう」と誘われた。あいにく、私は小脳の調子がよくなく「もうちょっと元気になったら行きましょう」と話したのだが、まさかそれが荒川さんと交わす最後の言葉になるとは…。

 荒川さんは早大の1級上の先輩で、ボールを叩きつけてライト前にヒットする独特のバッティングをする人だった。プロは荒川さんが毎日、私が巨人と、違うチームになったが、同じ先生に合気道を習っていた。私が兼任コーチの時、監督の川上さんから「王がなかなか育ってこない。どこかにいいコーチはおらんか?」と聞かれ、「この人なら間違いありません」と推薦したのが現役を引退したばかりの荒川さんだった。

 巨人のコーチになった荒川さんは心身統一合氣道の創設者、藤平光一師の勧めで一本足打法を取り入れ、「世界の王」を育て上げた。足一本ではバランスが崩れると立っていられない。反動をつけるためではなく、バランスを良くするための一本足打法。体に覚え込ませるために、とことん練習させた。王が飲んでどんなに遅く帰ってきても「じゃあやるか」と言ってバットを振らせる。あんな熱心な人は少ない。

 86歳。まだまだ…、せめて90歳までは生きていてほしかった。 (談=巨人OB)

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