糸井、オリ宴席で残した強烈スピーチ「いつかピッチャーで帰ってきます!」

[ 2016年12月4日 13:51 ]

阪神のユニホームをまとい背番号「7」を指さす糸井
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 まるで岩のように硬く、ごつい手だった。「お世話になりました!」とガッシリと握られたその右手は、オフに入ってもバットを振り込み続けている男のものだった。両手で包み込まれているような感覚。オリックスから阪神へFA移籍した糸井嘉男外野手だ。

 先月末に神戸市内で行われたオリックスの選手会納会。一次会を終えた選手たちが、散り散りに会場を離れる時のこと。見栄を張ってもしょうがないので正直に言うと、今秋オリックス担当に就いたばかりで、別れのあいさつが始まった間隙を縫うように、ちゃっかり“便乗”しただけ。ほろ酔い気味の糸井から差し出された右手を、恐縮しながら握り返して「実は、ほぼ初対面なんです」と言うと、糸井は「誰やねん!」とツッコミを入れて笑ってから「阪神に行っても頑張りますよ!」。周囲からは神経質、気難しいと聞いていたが、全く違う一面だった。

 糸井とともに戦ったナインは、繊細な性格の本意を知っている。小松2軍投手コーチは「宇宙人とか言われているけど、ヨッピ(糸井の愛称)は、すごく気配りができるやつで、いろいろと考えている。取材とかでも、前もって“オモロイこと言ったろ”とかって考えてるはず。じゃないと、あんな面白いこと言えないでしょ」。小谷野も言う。「めちゃくちゃなキャラと思われがちだけど、本当は違うよ。練習熱心だしね」と話す。

 遠征先では、誰よりも早く球場入りし、一人黙々とトレーニングするのがルーティン。阪神でも続ける模様だ。野手転向という困難を乗り越え、首位打者、ゴールデングラブ賞、ベストナインと積み上げた栄誉の数々が並ぶ。恵まれた体格、驚異の身体能力に目を奪われがちだが、糸井自身を支えた裏には“超人的”と言える努力があったからだ。

 4年間過ごしたナインとの別れを惜しんだ選手会納会では「宇宙人」の一面も発揮した。報道陣が退出を命じられた後のこと。宴席の壇上に上がった糸井は「いつかピッチャーで帰ってきます!」と強烈なスピーチを披露して、場内を沸かせたという。阪神とは4年総額18億円の大型契約を結んだ。アラフォーで投手再転向して古巣復帰…。途方もない話のように聞こえるが、期待してしまうのは僕だけだろうか。(記者コラム・湯澤 涼)

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