大谷のメジャー移籍先延ばし!?新労使協定早とちりで米大混乱

[ 2016年12月3日 05:30 ]

練習の合間に笑顔をみせる大谷
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 30日(日本時間1日)に合意した大リーグ機構(MLB)と選手会の新労使協定を巡り、「大谷騒動」が勃発した。一部米メディアが1日(同2日)、ポスティングシステムを利用し、早ければ来オフにもメジャー挑戦する日本ハム・大谷翔平投手(22)の移籍が先延ばしになる可能性を指摘。新協定では契約金に上限がある国際選手獲得の年齢制限が23歳未満から25歳未満に引き上げられるが、日本から同制度で移籍を目指す大谷は適用外となる見込みで、メジャーへの固い意志を改めて示した。

 大リーグでは米国、カナダ、プエルトリコ以外のドラフト対象外となる国際選手の獲得に、年齢制限とともに、年俸を含めた契約総額の制限が決められている。旧協定では23歳未満だった年齢を、新協定では25歳未満に引き上げ、1球団あたりの契約総額も上限575万ドル(約6億5600万円)となったとAP通信は報じた。

 国際選手獲得に制限を加える理由は、マネーゲームに発展し、資金力のある球団に制限を加えなければ、戦力均衡も保たれないからだ。その上で、複数の米メディアは、この規定変更が、来年7月に23歳となる大谷にも適用されると解釈した。

 米ヤフースポーツは「新しい25歳ルールで、日本のスター・大谷は少なくとも19年までMLBに来られない。19年までなら契約総額は600万ドル(約6億8400万円)に満たない。ポスティングシステムでの移籍なら2億5000万ドル(約285億円)以上」とメジャー移籍が3年も先延ばしになる可能性を指摘。CBSスポーツは「なぜ新労使協定は大谷のMLB行きを遠ざけるのか」と伝えた。

 この一報は千葉・鎌ケ谷で自主トレを行っていた大谷本人にも伝わったが「(記事を)読みました。(メジャー移籍の気持ちがぶれることは)全くない。(何も)変わらない」とキッパリ。さらに契約金が大幅に引き下げられる可能性があることにも「関係なくはないけど、規定が変わっただけでどうのこうのはない」とメジャー移籍への強い気持ちを示した。

 だが、これは一部米メディアのとんだ早とちりだったもようだ。MLB関係者によると、適用されるのは、両国間で協約のない国、主にキューバ選手となる見込み。「日米間選手契約に関する協定」が結ばれている日本野球機構(NPB)所属の選手には、この新協定は適用されないとみられている。日米間では今後、大谷の移籍を想定し、ポスティングシステムの改正交渉が日米間で進められるのは確実だ。

 全ての概要が明らかになっていない新協定に関する報道が大騒動に発展したのは、二刀流で大活躍する大谷に大きな関心が注がれている証拠だ。

 大谷は5日に契約更改交渉を行う。席上ではメジャー移籍について話し合われる可能性もある。大谷の一挙手一投足に日米の目が注がれている。

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2016年12月3日のニュース