巨人最有力も…山口 中日とも交渉していた「しっかり考えたい」

[ 2016年11月30日 05:30 ]

他球団への移籍を表明する山口
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 DeNAから国内フリーエージェント(FA)権を行使した山口俊投手(29)が29日、横浜市内で高田繁GM(71)らと残留交渉を行い、来季から他球団へ移籍する意向を伝えた。今季11勝をマークした右腕は、11日に入団交渉を行った巨人が移籍先の最有力候補とみられるが、28日には中日と交渉したことも判明。三つ巴から2球団による一騎打ちとなった山口争奪戦は佳境を迎えている。

 午前中に横浜市内で行われた最終交渉の場で、山口は11年間在籍した球団を去ることを決断した。最後まで残留の道も模索したが、高田GMら球団幹部に感謝の言葉を伝え、そして握手を交わして部屋を出た。

 夕方には選手会納会が行われた静岡県伊豆の国市に移動して、「本日、移籍する旨をお伝えした」と報道陣に対応した。「DeNAでプレーしたい気持ちはあったが、プロ野球選手として条件の折り合いがつかなかった。今の自分を育ててもらった感謝は大きい。お互いに納得した上での移籍です」。今季は自己最多11勝をマークし、ラミレス監督からもエースとして絶大な信頼を寄せられた。

 それでもプロ野球人として、自ら厳しい道を選択。「新しいチームに行くことによって、また一から始まる」。26日のファンフェスティバルでは、ファンから残留を願う声の大きさに揺れた。「正直思うところはあった。結果が出ないときも、変わらず応援を続けてくれた。本当に感謝しています」。だが、慣れ親しんだ環境よりも、野球人としてさらなる成長を求めた。

 注目は今後の移籍先だ。すでに、来季3年ぶりのV奪回を目指す巨人とは解禁日となった11日に入団交渉を行った。先発の柱として期待され、3年総額6億円と好条件の提示を受け、来季所属チームの最有力候補に挙がる。一方で、複数の関係者によると28日に中日と交渉を行ったことも判明。19年ぶりの最下位に沈んだ中日は、来季から森新監督が指揮を執る。投手陣の整備は急務で、その中心として期待される右腕には、巨人に匹敵する条件が提示されたもようだ。

 DeNAの残留が消え、残るは巨人と中日から二者択一することになった。「そこ(中日)の方向も視野に入れて、期間は短いがもう一度しっかり考えたい。12月頭にはと思っている」。新たな舞台を求め、退路を断った山口が近日中に最後の答えを出す。 (中村 文香)

 ◆山口 俊(やまぐち・しゅん)1987年(昭62)7月11日、大分県生まれの29歳。柳ケ浦では1年夏、3年春に甲子園出場。3年春のセンバツは初戦敗退ながら、最速151キロを計測した。05年高校生ドラフト1巡目で横浜(現DeNA)入団。06年6月29日の巨人戦(横浜)でプロ初登板初勝利。09年から救援に転向し、10、11年は2年連続30セーブ以上をマーク。14年に先発に再転向した。1メートル87、97キロ。右投げ右打ち。

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