ヤクドラ1寺島 理想はマー君「負けない投手」高卒異例の出来高

[ 2016年11月30日 05:30 ]

履正社・寺島は仮契約を終え応援傘を手にポーズを決める
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 世代No・1左腕が「マー君ロード」を突き進む。ヤクルトからドラフト1位で指名された履正社・寺島成輝投手(18)が大阪市内のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高、年俸1200万円で仮契約を結んだ。背番号「18」に決まった最速150キロ左腕は楽天時代に同番号を背負ったヤンキース・田中将大投手(28)を理想像に「負けない投手」を目指していく。

 エースナンバー「18」をつける意味を聞かれると、寺島の表情が一段と締まった。

 「小さい頃から野球を見てきて、凄い選手ばかりがつけている。重みのある番号だと思う。自分の番号にできるように頑張りたい」

 将来のエースになってほしい――。今季まで13年ドラフト1位・杉浦がつけていたが、球団は18歳左腕に大きな願いを込めた。球団の高卒新人では07年由規以来、契約条件に出来高をつけたのも期待の表れだ。鳥原公二チーフスカウトは「(今年の新人で)大卒、社会人を含めてNo・1の評価。即戦力で先発ローテに入ってくるだろうと。10勝すれば優勝の可能性が高まる」と力を込めた。

 U―15、U―18日本代表と侍ジャパンの年代別カテゴリーでエースの座を勝ち取った左腕には理想の投手像がある。「負けない投手。どんな形でも良いからなぜか負けない」。それに合致するのが、楽天時代に同じ18番を背負ったヤンキース・田中だ。13年に24勝0敗で、球団史上初の日本一に導いた。当時、中学3年だった寺島も「負けないという意味で理想の一つ。特に日本一を決める試合の気迫とかは凄かった」と、巨人との日本シリーズで熱投した姿も鮮明に記憶している。

 最速150キロの直球に加え、打者を見ながら投球するすべも持つ。打者心理を研究する上では、履正社の先輩・山田の存在も心強い。「球界を代表する打者。どういう攻め方をされるのが嫌なのか聞いてみたい」。背番号18で浮かぶ投手としてソフトバンク・松坂を挙げたが、その右腕は西武で1年目から16勝をマークし最多勝に輝いた。「ドラフト1位で獲ってもらっているので結果を求められる。意識して頑張りたい」。寺島はプレッシャーも力に変えて、球界のエースを目指す。 (平尾 類)

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