自己変革へ…堂林の決意「新井から学ぶ」 コーチ陣も柔軟に後押し

[ 2016年11月24日 10:30 ]

広島の堂林
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 その話を聞いた時、思わず膝を打った。あれはDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ開幕前の10月上旬。マツダスタジアムでの全体練習を終え、帰途に就く広島・堂林に、何気なくオフの動き方を問うた。すると彼は意を決したように、新たに師事するベテラン選手の名前を口にした。

 「新井(貴浩)さんに“お願いします”と言いました。護摩行にも一緒に行かせてもらいます」

 スポーツメーカー「ミズノ」の契約選手同士。打者としてのタイプが似ていることから、新井は阪神在籍時から一目置いており、古巣復帰後も気にかけていた。ただ、本人が望めば喜んで引き受けるが、望んでいないならば出しゃばらない。それが新井の主義。ようやく――、の思いは禁じ得ない。

 気になったのはコーチ陣の反応だ。指導者側にもメンツがあり、この手の話を表に出す場合、扱いを注意しないと、こじれてしまう。だが、杞憂だった。東出打撃コーチは言う。「堂林には、新井さんに頼んでみたらという話をした」。新井とは同期入団。若き日の姿を知るからこそ、進言をいとわなかった。

 石井打撃コーチもかねて「オフの2カ月をどう過ごすか大事」と話しており、了解済みという。選手の眠れる才能を引き出すのに、よりよい方法は何か。そこを重視し、柔軟に対応したということだ。このような垣根を越えた関係性も、広島の強みと言っていいだろう。

 堂林が1軍デビューしたのは4年前。自前の大型三塁手を育てようと、野村前監督は全144試合に起用した。その年、飛ばないとされた統一球を使用する中で、彼が放った本塁打は14本。天性の飛距離は今も変わらぬ最大の魅力だ。だが、打撃不振が続き、以降は出場機会が年々減った。

 「新井さんには“やれることを、すべてやってみろ。いい悪いは、後から判断すればいい”と言われています」

 ネックはタイミングの取り方にある。デビュー当時の新井にも同様の課題があり、体の軸で回転する打法を徹底練習することで、超一流の域に上り詰めた。しかも、ともに逆方向への打球に特徴がある中距離打者。師事することで、視野が広がるのは間違いない。

 新井が通い、かつては堂林自身も鍛錬の場としていた広島市内のトレーニングジムに同行し、まずは体を鍛え直すところから始める構えだ。新春1月には、およそプリンスのイメージとはかけ離れた、護摩行という精神修養にも挑む。すべてこれまでの過去と決別するためだ。

 「このオフが大事。来年ダメなら、後がないという気持ちです」。8年目の一大決心。一本立ちに期待大だ。(江尾 卓也)

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