阪神・中谷 500万円増も来年こそ勝負 入団秒読み糸井に負けない

[ 2016年11月19日 08:40 ]

アップ提示にサインして笑顔で球団事務所を後にする中谷

 阪神・中谷将大外野手(23)が18日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い500万円アップの年俸1200万円(金額は推定)でサインした。6年目の今季はプロ初本塁打を放つなど、持ち味の長打力をアピール。来季は打率3割、2桁本塁打を目標に掲げ、オリックスからFA宣言し、球団が獲得を目指す糸井に負けない活躍を誓った。

 “未知なる強敵”を意識してか、中谷の言葉には熱がこもる。口にした目標も力強かった。

 「今年は(シーズン中)3割をずっとキープしていたんで(最終的には・266)、3割という目標は持ってしっかりやりたい。ホームランも最低、2桁は打てるような活躍をできるように。今年、試合に出させてもらって、もっともっと試合に出て活躍しないといけないと思った」

 6年目の今季は、プロ最多となる64試合に出場し、41安打、4本塁打をマーク。次代の大砲候補とされながらも、くすぶり続けていた男が、ようやく潜在能力の一端を発揮した。1軍での躍動に手応えを口にしたいところでも、表情は一切、緩むことはなかった。戦いは始まっている、とばかりに視線は早くも真価の問われる来季へ向けられていた。

 チームの補強状況は、オリックスからFA宣言した糸井の入団が秒読み段階となっている。同じ外野でこれまで残してきた実績も群を抜いているだけに、定位置獲得へは1軍定着だけでなく、レギュラークラスの成績を残さなければ、対抗することは到底、不可能。出場機会を増やすために、今秋、挑戦している三塁も助っ人砲のエリック・キャンベルとの来季契約が大筋で合意に達している。ノルマに掲げた3割、2桁本塁打は糸井、キャンベルに立ち向かう“最低条件”と言えるかもしれない。

 契約更改の場で評価されたように強肩も含めた守備力も中谷の大きな長所。「全部でアピールしたい。バッティング、守備、走塁もすべてで」と走攻守の総合力で“補強戦力”をおびやかす存在になってみせる。

 「(今年は)良い経験ができたし、野球人生で良いシーズンだった。来年はずっと1軍にいれるように、その中でレギュラーをつかむ気持ちでやっていきたい」

 高く、分厚い“壁”を打ち破った時、中谷は本物のレギュラーになる。 (遠藤 礼)

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2016年11月19日のニュース