糸井 金本監督の殺し文句にグラリ「熱い言葉をもらいました」

[ 2016年11月12日 05:53 ]

阪神とのFA初交渉を終え報道陣に対応する糸井は、質問に上を見つめ考える

 目の前に阪神・金本監督が座る中、約1時間の交渉を終え、姿を現したオリックス・糸井の顔は紅潮したままだった。「やっぱり僕の中で(印象が)すごい選手というのがあるので、めちゃくちゃ緊張しました。キャンプ中に、わざわざ来ていただいて、熱い言葉をもらいました」。感激した様子は隠しきれない。交渉した部屋から見える見晴らしの良い眺めも、目に入らなかった。

 7日に大阪市内のオリックス球団事務所へFAの申請書類を提出し「他球団の話を聞いてみたい」と宣言。FA公示された10日は、午後3時1分に連絡を受けた。それだけでも誠意は感じているだろうが、金本監督の交渉出席に加えて特別な口説き文句が糸井をぐらつかせた。「やっぱり必要な戦力ということと『初めての恋人や』と言ってもらいました。選手としたら、そういう言葉はすごくうれしく思います」。かつて鉄人と称された指揮官から、恋人に選ばれた超人は、天にも昇る気持ちだっただろう。

 両膝のケガから復活し、今季は自身初の盗塁王を獲得。さらに「毎年目標にしている」というゴールデングラブ賞も2年ぶりに受賞した。7度目は、パの外野手ではイチローに並ぶもの。右中間、左中間の広い甲子園では、糸井のプレーが、より生きるはずだ。「交流戦でしかプレーしたことないが、やっぱり他にない球場だなと思う」と甲子園には特別な感情があることも告白した。

 愛着のあるオリックス残留か、恋人指名した阪神移籍か。「今、まだ整理がついていないので、帰ってしっかり考えて、整理して返事したい」と結論は出さなかった。夜も眠れないくらい考えてFA宣言したことを振られると「(きょうは)眠ります(笑)。そこは自分の野球人生なので、しっかりと考えて答えを出したい」と言い切った。長引かせるつもりはないが、熟考して最高と言える「結論」を出す。(鶴崎 唯史)

続きを表示

2016年11月12日のニュース