マエケン メジャー2年目飛躍のカギは“打者との駆け引き”

[ 2016年11月12日 11:00 ]

メジャー1年目を終えて帰国し、会見した前田健

 ドジャースの前田が激動のメジャー1年目のシーズンを終えた。5日の帰国会見。「温泉に行きたい」、「松茸の土瓶蒸しが食べたい」。柔和な笑顔で語った姿が印象的だった。

 今季は開幕から先発陣で唯一ローテーションを守り、チーム最多の16勝(11敗)。レンジャーズ・ダルビッシュに並ぶ日本投手1年目の最多記録だった。エース左腕カーショーが離脱するなど、故障者が相次いだ先発陣を救い、ポストシーズン進出の立役者となった。一方で、ポストシーズンでは3試合に先発したが、0勝1敗、防御率6・75。この1年について「内容は別にして、16勝できたことはすごく自信になった。細かく言えば勝たせてもらった試合が多かったですし、チームに勝ちをつけてもらった試合が多かったのは事実ですけど、ローテーションを守って16勝できて、地区優勝もポストシーズンも経験できた。そういう意味では充実した濃い1年でした。すごく成長できた1年だったんじゃないか」と自身に合格点を与えた。

 興味深かったのが、あるデータに対する前田の自己分析だった。今季、レギュラーシーズンで相手打線が3巡目に入った時の被打率が・338と、1巡目の・189、2巡目の・212よりも悪かった。これについて問われると「その数字はそこまで気にしていない」と言った。その真意は「相手打者のことも分からないですし、傾向も分からなかったので、どんどん自分の勝負球で勝負していくしかなかったというのが正直なところ」と明かした。

 日本時代なら、ある試合では直球中心の配球で入って中盤以降まで変化球を隠したり、ある試合では変化球中心で入ったりと試合によって変えられていたという。だが、今季は「やっぱり1年目で駆け引きがあまりなくて、自分の勝負球でどんどん勝負していくという感じになってしまった」と振り返った。「そうすると攻め方も決まってくるし、3打席目になるとパターンが決まってしまっていた。単純に相手を知らなかったのが原因。来年からもう少し駆け引きができると思う」と言った。要は初回から常にアクセルがトップに近い状態での投球を強いられていたのだ。

 3試合でいずれも5回を投げきれなかったポストシーズン直後の帰国。厳しい自己採点になるかと思っていたが「自分を厳しくしすぎると苦しくなってしまうので、これくらいでよかったんじゃないかと。2年後、3年後がこれだと満足度は下がってくるけど、今の自分の力だとこれくらいなのかな」というのも納得できた。

 メジャー2年目を迎える来季。今季、防御率3・48、175回2/3を投げた右腕は「防御率2点台~3点台前半」と「200投球回」を目標に掲げた。「向こうでイニングを投げるとなってくると信頼度が大切。信頼を得るためにも長い回を投げられるというのを証明していきたい」。前田が相手打者との駆け引きを楽しむ姿が見られれば、さらなる飛躍を遂げていることだろう。(記者コラム・東尾 洋樹)

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