3度得点圏で内川が凡退…貧打の侍J 打線のカギ“筒香の後”不発

[ 2016年11月11日 05:30 ]

侍ジャパン強化試合 ( 2016年11月10日    東京D )

<日本・メキシコ>3度の得点圏で凡退し、浮かない表情の内川

 来年3月に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を控える侍ジャパンは10日、東京ドームで行われた強化試合第1戦でメキシコに3―7で敗れた。筒香嘉智外野手(24=DeNA)が2打点を挙げたものの、小久保裕紀監督(45)が打線の鍵に挙げてきた「筒香の後」が不発。投手陣も小久保ジャパンワーストの失点で、課題を露呈した一戦になった。

 ベンチ裏の通路で、内川が悔しさを押し殺して話した。「中田、筒香の後を打つというのはこういうことか、というのを味わわせてもらった」。今季ソフトバンクで4番を務めたチーム最年長の34歳が、その役割の重みを痛感させられた。

 内川は初回、筒香が押し出し四球を選んだ後の1死満塁で二ゴロ併殺打。3回は2死満塁で三振し、5回も筒香の適時二塁打の後に中飛と畳みかけられなかった。小久保監督が直前合宿でキーポイントとして言い続けてきた「筒香の後の打者」という課題。指揮官は「ミートがうまいので今日は起用した」と6番に置いた意図を説明。結果として、課題のまま次戦以降に引き継がれた。

 「初回にチャンスで追加点を取れなかった。主導権を握れなかった」と小久保監督。初回に4四球をもらいながら1点止まりで、初安打は5回2死まで出なかった。わずか5安打で10残塁。8回の攻撃前には稲葉打撃コーチが円陣で「ライナーを打っていこう」と指示。8、9回に内川を含め3人が安打を放ったが、連打は試合を通じて生まれなかった。

 稲葉コーチは「思ったより球が遅く、対応しきれなかった。途中でコロコロ投手が代わったのにも、集中力を切らされてしまった」と分析。直球は140キロ台が中心だったメキシコの投手陣は9投手を起用し、侍ジャパンで同じ投手と2度対戦した打者は1人もいなかった。相手のめまぐるしい投手交代は、本番でも十分考えられる。新たな課題を露呈した形だ。

 内川はクライマックスシリーズ・ファイナルステージ出場から、実戦は3週間半ぶり。感覚が鈍っていることは否定できない。ただ、本戦もオフの後、少ない強化試合を経て臨む。3月も同じ状況で、言い訳が許されない。小久保監督は試合後、11日の第2戦について4番・中田、5番・筒香は代えず6番で坂本を起用すると発表。「調子を見極めないといけない」。あくまで本番の短期決戦を想定した戦い。だから、内容も結果も重要になる。 (大林 幹雄)

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