川藤OB会長、若虎に愛のムチ 年寄りFA組に負けるなら「ユニホーム脱げ」

[ 2016年11月10日 11:10 ]

ベンチで北條(右)と話す川藤OB会長

 阪神の川藤幸三OB会長が9日、安芸の秋季キャンプを訪れて強烈な愛のムチをふるった。チームがFA補強に動くのは若手選手たちが頼りないからだ。さらに簡単に補強選手にポジションを奪われるようなら「ユニホームを脱げ」と、それぐらいの覚悟を持つよう言い放った。

 さっさとユニホームを脱げ―。こんな過激な発言、川藤OB会長にしか言えない。チームがFAで獲得をめざすことが確実なオリックス・糸井についての若虎たちへのメッセージだ。

 「誰が来ようと、そんなもん、年寄りに負けてられるかというのが基本。そんな気持ちがなかったら、さっさとユニホーム脱いだらええんや」

 言葉にトゲがあるものの、どこか優しい。いや、むしろ、お前ら頑張らんかいというエールにも聞こえる。安芸を訪れ、レギュラーを目指して必死に練習を続ける姿を目の当たりにしての「愛のムチ」だ。

 チームにとって糸井が加入すれば走攻守で格段の戦力アップとなるのは確実。しかし、裏を返せば定位置が一つ減ることになる。その強力な“外敵”を倒さないことには、プロの世界でメシは食えないし、自分たちがユニホームを脱ぐことになるよ―と伝えたかった。

 「今年1年は1軍の土俵を経験させてもらっただけで、自分でつかみとったものではない。来年以降のためにこの一年がある。言葉じゃない。この世界は数字で残すしかない。(数字を)残せるやつは、監督に『俺を使わんかい』ぐらいのものがないといかん」

 そもそも、このオフにFAや新外国人補強に動くのは現有戦力では優勝に届かないと判断されたため。つまり、いまこの安芸にいる選手たちでは、まだまだ物足りないと言われたようなものだ。投手なら10勝を挙げた岩貞、新人ながら4勝の青柳。野手では新人王候補の高山や遊撃に定着した北條など戦力の一定の若手の台頭はあったものの、もっともっと出てきて欲しい。

 また川藤OB会長は、年寄りと表現した糸井についても「虎のユニホームを着た人間はみんな一緒。どこから来ようと、タイガースの一員。おもしろい選手だし、性格的にもプロ向き」と歓迎した。その上で、「もちろん、戦力になるから獲ろうとしてる。それでケガをしたとか、大きなスランプになったとか。そんなことじゃ言い訳にならんよ」と熱いトークは止まらなかった。 (巻木 周平)

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2016年11月10日のニュース