金本監督 トライアウト組獲る ソフトB柳瀬、西武・中崎ら候補に

[ 2016年11月10日 06:55 ]

内野ノック後、大量のボールが入ったカゴを引っ張ろうとする金本監督(左から2人目)

 FAや新助っ人だけじゃない!超変革2年目へ戦力補強を急ぐ阪神が、12日の12球団合同トライアウト(甲子園)からも新戦力発掘に乗り出すことが9日、分かった。ソフトバンクから戦力外となった柳瀬明宏投手(33)、同じく西武の中崎雄太投手(25)らがターゲットだ。10日にFA宣言選手が公示され、阪神はオリックスの糸井嘉男外野手(35)の獲得の意思を正式表明する。

 補強の手はゆるめない。あらゆる方面に触手を伸ばして戦力となる可能性がある選手を見つけ出す。阪神は今オフ、12日に甲子園球場で実施される12球団合同トライアウトから2年ぶりに獲得する方針を固めた。

 「現時点で(戦力外選手を)絶対に取らないということは決めていない。もちろんシーズン中から調査はしている」

 各球団から戦力外通告を受けた全110選手から、トライアウトを受験しそうな選手をリストアップ。球団関係者は具体名こそ明かさなかったが、編成担当者からの資料をもとに候補も絞り込んだ様子だ。12日のテストで実際のプレーを見て“最終チェック”する。

 基本的には投手を中心に視線を送ることになる。中でもソフトバンクで11年間プレーした柳瀬に注目し、ターゲットの筆頭候補に挙げている。他球団の編成担当者からも「(柳瀬は)まだまだ使えると思いますよ。球速もあるし、一番はフォークがいい」と高評価されるほどだ。

 生まれは甲子園がある兵庫県西宮市。如水館(広島)を経て、京都の龍谷大に進学した。入団1年目の06年のプレーオフ第1ステージでは10月8日の西武との第2戦で5回途中から2番手で2回2/3を無安打無失点で勝利投手になった。公式戦未勝利の投手がポストシーズンで勝利を挙げるのは史上初の快挙だった。

 13年には自己最多44試合に登板。しかし近年は若手台頭の影響もあって登板数が激減。11年目の今季はわずか2試合だった。ただ、ウエスタン・リーグでは32試合に登板。140キロ台後半の速球は健在で、落差のあるフォークも大きな武器だ。

 また、西武に08年のドラフト1位で入団した中崎も気になる存在。来年で26歳という若い年齢も魅力。左のサイドスローは貴重だ。

 阪神はセットアッパーだった福原が今季限りで現役を引退した。また、今秋のドラフトでは内野手の大山を1位で指名。そのため中継ぎ強化が課題の一つでもあった。

 来季の巻き返しへ向けてFAではオリックス・糸井の獲得に乗り出す。また新外国人候補として元楽天のケーシー・マギー内野手(34=タイガース)をリストアップ。そして、次の一手が戦力外選手からの発掘だ。球団主導による超変革補強も着々と進んでいる。

 ◆柳瀬 明宏(やなせ・あきひろ)1983年(昭58)7月8日生まれ、広島県出身の33歳。如水館から龍谷大を経て、05年大学生・社会人ドラフト6巡目でソフトバンク入団。デビュー以来すべて救援登板で通算216試合11勝6敗8セーブ、防御率3.00。右肘手術で11年から12年6月まで育成選手を経験している。1メートル76、78キロ。右投げ右打ち。

 ◆中崎 雄太(なかざき・ゆうた)1991年(平3)3月11日生まれ。鹿児島県出身の25歳。日南学園から08年ドラフト1巡目で西武入団。5年目の13年にプロ初登板。通算成績は15試合0勝0敗0セーブ、防御率8.04。今季から投球フォームをサイドスローに変更した。中崎翔太(広)は実弟。1メートル80、78キロ。左投げ左打ち。

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