阪神・金本監督 糸井「1番・センター」で口説き落とす!

[ 2016年11月7日 05:52 ]

オリックスの糸井

 攻守の要として、期待しています――。今季取得した国内FA(フリーエージェント)権の行使を表明しているオリックス・糸井嘉男外野手(35)の獲得を目指す阪神が「1番・センター」構想を用意していることが6日、分かった。解禁日の11日に速攻アタックを予定する交渉の席で猛虎の中核としての「期待」と「待遇」を伝える見込みで、口説き落とす材料にもなりそうだ。

 「恋人」を口説き落とすために必要とあれば、現段階の構想を伝えるのも一つの手だろう。契約年数や金額と並んで選手が重視する条件。起用法だ。球団は交渉の席に、「1番・センター構想」を持参する構えだ。

 球団幹部は「ポジションはセンターとして構想しているのではないでしょうか。外野守備の中心となるべきセンターが日替わりでは安定しませんから。固定したいポジションなので」と見通しを立てた。その言葉通り、中堅は外野の要。特に本拠地・甲子園は左中間、右中間が深いため、そこを任せる選手には俊足を生かした幅広い守備範囲と、強肩が求められる。まさに糸井にうってつけのポジションだ。

 チーム編成上も、好都合だ。仮に糸井を右翼で起用した場合、年齢的にも中堅の守備は厳しい福留を、一塁で起用するしかない。だが糸井を中堅起用すれば、福留をその日の状態によって右翼か一塁のいずれかで起用できる。先発オーダーのバリエーションを増やすことが可能となるわけだ。

 経験も豊富だ。09年にレギュラー定着後3年間は中堅手としてプレー。12年から右翼手にコンバートされ、今季も出場全試合で右翼を守っていたが、糸井の抜群の身体能力をもってすれば、再び中堅手に返り咲くことに不安は見当たらない。投手陣にとって、心強い存在となりそうだ。

 そして打順は、1番起用が濃厚だ。今季の開幕2番にチーム屈指の俊足である横田を起用したように、金本監督の基本方針として1、2番には機動力のある選手を置きたい考えがある。特に切り込み隊長である1番打者は、シーズンを通じて固定したい重要ポジションだ。糸井は今季、53盗塁で史上最年長盗塁王を獲得したほどの俊足の持ち主。加えて通算打率・301の打力、14年に19本塁打を放った長打力、通算出塁率・392の選球眼も併せ持つ。四死球や単打なら二盗で得点圏に進み、長打で一気に得点機を演出する―。指揮官が目指す機動力野球を体現する、最強の1番として機能してくれそうだ。

 球団は交渉解禁日の11日に速攻アタックを敢行する方針。指揮官も直接出馬する見込みの1度目の交渉で一気に口説き落とすことができれば、言うこと無しだ。そのためにも、3年契約以上で高額インセンティブを含む大型オファーとともに、「1番・センター構想」を席上に持参することになりそうだ。

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2016年11月7日のニュース