DeNA山口がFA行使決断!巨人&中日が興味 残留含め争奪戦に

[ 2016年11月6日 05:31 ]

DeNAの山口

 DeNAの山口俊投手(29)が、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使することが5日、分かった。8日に球団幹部と会談し、行使する意思を伝える。DeNAは宣言残留を認めており、残留の選択肢もあるが、他球団への移籍も視野に入れている。自己最多の11勝を挙げた山口がFA宣言すれば、調査を進めている巨人などが獲得に名乗りを上げる可能性は高く、争奪戦に発展することは必至。大物右腕の動向に注目が集まる。

 悩んで悩み抜いた末の決断だった。山口は親しい関係者に「入団1年目から育ててくれた横浜には感謝の気持ちでいっぱい。でも、一選手として他の球団の評価を聞いてみたい思いがある」と漏らしており、この日までにFA権行使を決めた。

 05年に柳ケ浦(大分)から高校生ドラフト1巡目で入団。11年間を過ごした横浜(現DeNA)への愛着は強い。シーズン終了時には「一度しかない野球人生。しっかり考えて結論を出したい」と話し、DeNAへの感謝と野球人としてさらなるステップアップをしたいという気持ちの中で葛藤があった。行使の手続きが可能となった10月31日以降、横浜を離れて、1人で自主トレを行いながら熟慮した。そして9日のFA申請期限が迫る中で、他球団の評価を聞いてみたいという思いが日に日に強くなったという。

 今季はシーズン終盤に故障で離脱したが、自己最多でチームトップとなる11勝をマーク。先発陣の柱として球団初のCS進出へと導いた。防御率もチームトップの2・86。安定感がある上に、リーグ最多の3完封を含む5完投(リーグ最多タイ)。完投能力も他球団にとって魅力的だ。年齢も29歳と若く、10、11年には抑えとして2年連続30セーブを記録するなど経験豊富な右腕が、今オフのFA市場の目玉となることは間違いない。

 特に熱視線を送っているのが巨人だ。トレードで日本ハムから吉川光を獲得。FA権を行使するソフトバンク・森福の調査も進めるなど、3年ぶりのV奪回を目指す来季に向けて投手陣の補強を進めている。興味を示していた山口についても調査を本格化させ、正式にFA選手として公示されれば獲得に動く可能性は高い。中日も興味を示しており、宣言残留を認めているDeNAも含めて争奪戦になることは必至だ。

 DeNAにとっては、エース右腕の残留が今オフの最重要課題。既に3年契約を提示しており、三原一晃球団代表は「彼からのグッドニュースを待っています」と話している。山口はあす7日に地方で行っている自主トレを終えて帰京。翌8日に横浜市内の球団事務所に出向き、球団幹部に宣言する意思を伝える。野球人生で大きな決断を下し、他球団の評価を聞いた上で結論を出す。

 ◆山口 俊(やまぐち・しゅん)1987年(昭62)7月11日、大分県生まれの29歳。柳ケ浦では1年夏、3年春に甲子園出場。3年春のセンバツは初戦敗退ながら、最速151キロを計測した。05年高校生ドラフト1巡目で横浜(現DeNA)入団。06年6月29日の巨人戦(横浜)でプロ初登板初勝利。09年から救援に転向し、10、11年は2年連続30セーブ以上をマーク。14年に先発に再転向した。1メートル87、97キロ。右投げ右打ち。

 ▽DeNA選手のFA移籍 横浜時代を含め、14年の金城まで8人がFA権を行使して移籍。投手では99年佐々木と01年小宮山が大リーグ、06年門倉が巨人に移籍した。08年三浦のように、宣言して他球団と交渉した末に残留したケースもある。

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