明大・星&早大・石井 プロでも続く那珂川町出身2人のライバル物語

[ 2016年11月6日 10:00 ]

日本ハム2位の早大・石井(左)とヤクルト2位の明大・星

 栃木県の東北東に「那珂川(なかがわ)町」という町がある。人口は約1万8000人。北部に位置する小砂地区は「日本で最も美しい村」連合に加盟しており、町を流れる那珂川はアユ釣りのメッカ。自然豊かな町として知られる。今年、その町の出身選手が2人、ドラフトで指名された。

 ヤクルト2位の明大・星知弥投手と、日本ハム2位の早大・石井一成内野手だ。那珂川町は05年に那須郡小川町と馬頭町が合併してできた町で、星は馬頭町、石井は小川町出身。石井は「同じ町の出身で、同じ年にドラフトにかかるなんてすごい出来事だなと。これも何かの縁ですね」と感慨深げだ。

 2人の物語は10年以上前、少年野球の頃にさかのぼる。星は馬頭ラッキー、石井は小川那珂クラブでプレー。星は当時を回想して「僕は石井から“打った”っていうイメージが強いんです」と笑う。当時は投手兼遊撃手だった石井は「もともと小5くらいの時、馬頭にすごい球の速い投手がいるというのは聞いていた」。小6時、ある大会で石井は星に逆転満塁弾を浴びて敗れた。「僕は当時、家で2段ベッドの下に寝ていたんですが、あまりに悔しくて新聞記事をベッドの上に貼ってずっと見ていた。今でも忘れられない思い出です」と振り返る。

 その後、別々の中学を経て、星は宇都宮工、石井は作新学院に進学。高3夏の栃木大会決勝の舞台で再び相まみえることとなる。1番・遊撃で出場した石井は5打数3安打。星は2番手で6回2/3とロングリリーフで粘った。「たぶん星からは1本ヒットを打ったかどうか」と石井。結果は3―1で作新学院が逆転勝ちし、甲子園の切符をつかんだ。

 ライバルストーリーの次なる舞台は東京。明大に進むことが決まった星は、石井の進路が早大だと知って「またか!と思った」という。2人はお互いの存在を励みに東京六大学の舞台で実力をつけ、プロ入りの夢をかなえた。

 グラウンドを出れば、2人の仲はいい。石井は「今もたまにご飯を食べに行ったりする。このオフは一緒に地元の激励会などにも出ることもあるかもしれないですね」と明かした。5日に行われた「東京六大学選抜―ヤクルト」では、星の背中を見ながら石井が遊撃を守る、そろい踏みが実現。気を許しあう姿が印象的だった。

 プロではリーグが分かれることになるが「(交流戦などで)対戦できたらいいですね」と口をそろえる。のどかな町が生んだ2人のスター候補。物語はまだまだ続く。(記者コラム・松井 いつき)

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