巨人育成ドラ4「2人目の坂本」は勇人の大ファン「野球の話したい」

[ 2016年11月3日 09:40 ]

準硬式のボールを手に腕を振る巨人から育成ドラフト4位指名を受けた関学大・坂本

 巨人に来季「2人目の坂本」が入団する。今秋の育成ドラフト4位で指名された関学大・坂本工宜だ。大学では硬式野球部ではなく、準硬式野球部に所属していた。「準硬式出身で(プロの世界で)できるのか?と思っている方もたくさんいると思う。準硬式でもこれだけできる、というのを見せたい」。1メートル78、80キロの右腕。異色なのは「準硬式」だけではない。

 硬式野球部に所属していた関西学院高時代は外野手。公式戦出場経験はないどころか、一度もベンチに入ったこともない。試合は常にスタンドから、メガホンを手に応援していた。内部進学した大学では「試合に出るチャンスが多いだろう」と、準硬式野球部を選択。大学入学時はまさか、自身がプロを目指すなどとは思ってもみなかった「変わり種」なのだ。

 才能は、みるみるうちに開花した。「ピッチャーをやりたい思いが強かった」と2年春に外野手から投手に転向。股関節の使い方や、テークバックに最適な腕の角度など、投球フォームを徹底的に研究することで球速が伸びた。135キロ程度だった球は、昨秋に148キロをマーク。この頃から「プロになる」という決意が芽生えた。準硬式球は一般的に、硬式球より約5キロ球速が落ちると言われている。山下哲治スカウト部長も「体の強さ、スピードもある。硬式球になれれば、もっといいボールを投げる」と期待している。

 巨人の坂本と言えば、今季、リーグ初の遊撃手首位打者に輝いた「坂本勇人」。関学大の坂本は「登録名は…球団の方から何か言われたら、臨機応変に対応したいです」と考えている。実は坂本の大ファンで、甲子園に背番号「6」のユニホームに、巨人のタオルを首に巻いて応援に通っていたほど。坂本と親交のある友人がネット越しに話すのを横で聞いていたこともある。「めっちゃファンだったんです。機会があれば、野球の話をうかがいたい」と対面を楽しみにしている。

 9月からは硬式球での練習を始めた。「1日も早く戦力としてチームに貢献できるようになりたい」。高校でも、大学でも無名だった右腕のシンデレラストーリーが始まろうとしている。(記者コラム・神田 佑)

 ◆坂本 工宜(さかもと・こうき)1994(平6)年8月19日、滋賀県生まれの22歳。小学1年時から祖父の影響で巨人ファンになり、3年時から野球を始める。関西学院高では外野手で、公式戦出場はゼロ。関学大で2年春に投手に転向。3年春のリーグ戦は先発として5試合に登板し、防御率1・33で最優秀投手賞とベストナイン。4年春はMVPを受賞し、チームも9季ぶりの優勝。1メートル78、80キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2016年11月3日のニュース