守護神チャプマン2回2/3零封!カブス71年ぶり本拠白星

[ 2016年11月1日 05:30 ]

ワールドシリーズ第5戦 ( 2016年10月30日    シカゴ )

インディアンス戦の7回途中から登板し、試合を締めたカブスのチャプマン

 第5戦は30日(日本時間31日)に行われ、カブスが3―2でインディアンスに逃げ切り勝ちし、2勝3敗とした。7回途中で投入された守護神のアロルディス・チャプマン投手(28)が、メジャー自己最長となる2回2/3を零封してセーブ。チームを崖っ縁で踏みとどまらせ、本拠地リグリー・フィールドで71年ぶりのシリーズ白星をもたらした。

 最後は2回に先制ソロを放っていたラミレスを、全て100マイル(約161キロ)超えの3球三振に斬った。大熱狂のスタンドと対照的に、チャプマンはクールに小さく2度だけグラブを叩いた。

 「試合前に監督から“7回からの登板でもいけるか?”と聞かれた。二つ返事で答えたよ。必要なら何でもする」

 ヤンキースに在籍した7月9日インディアンス戦での2回1/3を上回る、自己最長の2回2/3を1安打無失点に封じた。ワールドシリーズで8アウト以上奪ってのセーブを挙げたのは、地区シリーズ制が導入された95年以降では3人目。全42球中、19球が100マイルを超え、こちらはポストシーズン新記録となった。

 1点リードの7回1死二塁で、ジョー・マドン監督はためらわず人類最速105・1マイル(約169キロ)を誇る切り札を投入した。「それが一番勝つ可能性が高かった」。8回は2盗塁で2死三塁とされたが、リンドアをこの日最速102マイル(約164キロ)で見逃し三振。9回は3人で締めた。

 ヤギを連れたファンの入場を拒み、呪いがかけられたとされる1945年以来、71年ぶりの本拠でのシリーズ白星。第3戦から連敗で王手をかけられ、本拠3連敗で敗退となれば再び「呪い」と呼ばれるところだった。後がないチームは試合前にクラブハウスで映画「ロッキー」を観賞。場内にはテーマ曲が流され、挑戦者として瀬戸際の一戦に臨み一矢報いた。

 「チャプマンは今までにないような仕事をしてくれた。勢いに乗って敵地に乗り込める」とマドン監督。108年ぶりのシリーズ制覇へ、炎の救援が息を吹き返させた。(奥田秀樹通信員)

 ≪3勝2敗のV率は67%≫ワールドシリーズが3勝2敗になったケースは過去64度。リードしたチームが優勝したのは43度で確率は約67%。うち25度は第6戦で決着した。一方で第6戦を落とし3勝3敗とされたチームは過去39度のうち18度しか勝っていない。

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2016年11月1日のニュース