虎ドラ1の白鴎大・大山が逆転2ラン「プレッシャー力に」

[ 2016年11月1日 05:30 ]

関東地区大学選手権 ( 2016年10月31日    横浜 )

<白鴎大・横浜商大>1回1死二塁、左越え逆転2ランを放つ大山

 阪神からドラフト1位指名を受けた白鴎大・大山悠輔内野手(22)が31日、“虎1号”を放った。関東地区大学野球選手権大会で横浜商大との1回戦(横浜)に「3番・三塁」で出場。1点を先制された直後の初回に逆転2ランを左翼席へ運んだ。殊勲の決勝弾となり、明治神宮大会出場(11日開幕)をかけたトーナメント初戦を突破した。

 猛虎のドラフト1位としての力を示すように力強い弾道が伸びた。先制された直後の攻撃。1死二塁でカウント2―2から真ん中付近に甘く入った131キロカットボールを大山は完璧に捉えた。しなやかなスイングから舞い上がった打球は左翼席へ中段へ。推定125メートルの“虎第1号”は値千金の逆転弾だった。

 「タイミングは外されたんですけど、うまく乗せられたというか、すごく良い感じで打てました。とにかく来たボールに食らいつこうと。空振りはしないようにと意識してました。自分の一打で勝てて良かったです」

 創価大・田中、桜美林大・佐々木千ら今秋ドラフト会議で指名された選手たちが集った大会初日。各球団のスカウトや報道陣も多数詰めかけた中、冷静に随一の存在感を見せつけた。

 「今までよりはプレッシャーもありますけど、それに負けていたら(プロでは)やっていけない。それを力に変えるんだと思ってやっています」

 29日に決着した今秋の日本シリーズでは「時間があるときに見ていました」と可能な限りテレビ観戦に努めた。中でも強烈な印象を受けたのは第5戦で日本ハム・西川が放ったサヨナラ満塁弾だ。直前で岡が死球を浴びて騒然とする中、一撃で勝利を決めた。「仲間のためチームのため、というか。そういう部分は見習わなければいけないと思いました」。初回ながら同じ決勝弾となり、黒宮寿幸監督にも「よく打ってくれた。あの一本で流れがトントンになったかな」と称えられた。

 日本ハムを率いた栗山監督との縁もあった。白鴎大で04年から教壇(当初は助教授、07年から准教授、08年から教授。いまは休職扱い)に立った縁があり、3年前に特別講義が開催。1年生だった大山も参加した。「直接話すことはなかったですけど、授業を受けました」。詳細の記憶はあいまい!?のようでも教えを請うたことは事実だ。

 神宮切符をつかむまで残り2勝。きょう1日は今年6月の大学野球選手権で準優勝した中央学院大と激突する。「自分が打つことで育ててくれた方への恩返しになると思う。しっかり勝ちたいと思います」と力を込めた。 (巻木 周平)

 ◆大山 悠輔(おおやま・ゆうすけ)1994年(平6)12月19日生まれ、茨城県出身の21歳。小1から野球を始める。つくば秀英では投手兼遊撃手で2年夏に県大会8強。甲子園出場経験はなし。白鴎大では1年春から三塁手で出場。4年春にはリーグ新記録8本塁打を放ち、20打点で打点王。大学日本代表の4番も務めた。1メートル81、85キロ。右投げ右打ち。

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