ハム杉谷の“超美技”も一歩間違えば…人工芝張り替え 球場と選手に温度差

[ 2016年10月31日 11:10 ]

CSファイナルステージ第5戦 柳田の強烈なライナーを横っ飛びで好捕した杉谷
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 「危ない!」。そう思ったのは自分だけではなかったはずだ。結果的に流れを変えるビッグプレーとなったが…。日本一に輝いた日本ハムが、まだソフトバンクと日本シリーズ進出を争っていた今月16日のクライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージ(S)第5戦(札幌ドーム)。杉谷拳士が二塁守備で超美技を披露した場面だ。

 アドバンテージを含め3勝2敗で突破に王手をかけた大一番。初回に新人左腕の加藤がいきなり4失点した。1―4で迎えた3回のソフトバンクの攻撃。先頭の柳田が二遊間に強烈なライナーを放った。ここで打撃不振に苦しんでいた田中賢に代わって今シリーズ初先発だった杉谷が抜ければ右中間二塁打の可能性もあった打球をダイビングで好捕。直後の3回の打席では適時打も放った。

 記者が注目したのは杉谷の好捕の直後だ。グラブをはめた左腕が人工芝に引っ掛かって滑ることなく止まり、前方に体が回転。身体能力が高い杉谷は流れに逆らわず転がって受け身を取ったが、一歩間違えれば左手首や肘を痛めた可能性もある。天然芝や毛脚の長い人工芝なら左腕が芝に引っ掛かることなく滑り、危険もなかっただろう。

 札幌ドームの人工芝は13年の張り替えから4年が経過。巻き取り式であるため他球場より経年劣化が激しく、現在はクッション性が著しく低下している。今月4日には練習を終えた大野奨太選手会長(29)ら5選手が、球団幹部とともに球場内の同社を訪問し、早期の人工芝の張り替えなど15項目を盛り込んだ「選手パフォーマンスおよび顧客満足の向上に関する要望書」を提出。大野会長は「人工芝をもう少し柔らかいものにしてもらいたい」と切実に訴えた。

 今月15日、札幌ドームは要望書の回答で早ければ来オフに人工芝を張り替える方針を示した。少なくとも1年は現行の芝でプレーすることになり、張り替えを早急の課題とする球団、選手との温度差はある。同じく選手の要望が強い外野フェンスの柔軟性向上については具体的な期日は示されず、ダッグアウト裏の打撃練習場の常設化は困難、との見解が示された。

 球団は今年に入り新球場建設の検討を開始した。球団幹部は「(新球場建設と)今回の要望書は別の問題」と話したが、記者は全くリンクしないとは思えない。球団、球場、選手…。どれかひとつが欠けてもプロ野球の興行は成り立たないが、やはり主役は選手。プレー環境を整えることは何より優先されるべきだ。(記者コラム・山田忠範)

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