ビッグ開発ベースボールクラブ 初出場も敗退 沖縄発のクラブチーム

[ 2016年10月31日 05:30 ]

スポニチ後援第42回社会人野球日本選手権第2日・1回戦 ( 2016年10月30日    京セラドーム )

<日本生命・ビッグ開発ベースボールクラブ>力投するビッグ開発ベースボールクラブの知念
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 9月の全日本クラブ野球選手権を制し、創部9年目で大会初出場を果たしたビッグ開発ベースボールクラブが、連覇を狙う日本生命の前に敗れた。3失点で完投したエース右腕・知念正弥投手(27)は、「点を取られたので満足していないが」と話した後、“こんなことを言っていいのかどうか…”といった感じで遠慮がちに続けた。「こういったマウンドで投げられたのは、正直、楽しかったです」。

 晴れ舞台とは縁遠い野球人生だった。中部商時代にはベンチ入りメンバーに入ることすらできず、専門学校の沖データコンピュータ学院でも3年間でわずか1イニング。それでも野球が好きで「体が壊れるまでやりたかった」。故郷の沖縄にあるクラブチームの門をたたいた。

 チーム母体のビッグ開発は那覇市に本社を置く不動産関連会社で、選手は午前中に練習し、午後から社業に励む。創業者で現会長の下地剛監督は「沖縄県は高校野球のレベルが高いのに、受け皿がなくて不完全燃焼で終わってしまう選手が多い」と、08年3月に創部。浦添商で3年間のコーチ経験を経ての一念発起だった。専用グラウンドはなく、練習場所を求めて那覇市から車で1時間以上かかる沖縄本島北部の名護市や国頭村まで出向くこともある。「ウチに注目されるような選手は1人もいません」。個々の能力そのものより、野球熱に満ちあふれた選手ばかりで活動している。

 知念は入社6年目。地道な努力を重ねて主戦に成長し、全日本クラブ野球選手権ではMVPを受賞。出場権を獲得した今大会でも初戦の先発を任される予定だったが、大会直前にスランプに陥った。「体の状態はよかったが、コントロールが悪くて…」。それでも指揮官から先発マウンドを託された。「インコースを突いて、攻めるピッチングを心がけました」。2回1死一、三塁を併殺打で切り抜けるなど、打たせて取る持ち味を発揮。4回に犠飛と適時打で2点、8回にはソロで1点を失ったが、無失策の守備陣にも助けられ、最後までマウンドに立ち続けた。

 2時間4分の夢舞台を経験したことで、新たな目標もできた。「ここでやってみたことで、次にどこまでできるのか挑戦してみたい」。指揮官は散発5安打で無得点に終わったのが心残りだった様子。「負けたのは残念だが、王者の足もとを握りしめて、倒そうという執念は感じた。また来年、ここに来てホームベースを踏むという目標ができました」。選手としてチームとして、一回りビッグになって帰ってくることを誓い、球場を後にした。(石丸 泰士)

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