早実4強も…清宮 公式戦32戦目で初の無安打「追いかけて形を…」

[ 2016年10月30日 07:07 ]

秋季高校野球東京都大会準々決勝 ( 2016年10月29日    八王子市民 )

<関東第一・早実>準決勝進出を決め応援席に駆け出す清宮(左端)ら早実ナイン
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 来春のセンバツ出場の重要な資料となる秋季高校野球各地区大会は29日、7地区で18試合が行われた。東京都大会では早実が関東第一を破り、4強に進出。清宮幸太郎主将(2年)は入学以来公式戦32試合目(国体含む)で初の無安打に終わったが、チームは8―4で快勝した。関東大会は準決勝が行われ、東海大市原望洋(千葉)と今夏甲子園優勝の作新学院(栃木)が決勝に進んだ。

 いつにも増して、清宮の声はかれていた。それだけこの一戦に懸けていた。自らは1年春から公式戦32試合目にして初の無安打に終わったが「もちろん勝てたことの方がうれしい。(連続安打は)いつかは止まる。四球でも死球でも塁に出ればOKという気持ちだった」と意に介さなかった。

 相手は昨夏から東京では30連勝中の関東第一。センバツ出場を占う上で大一番だった。練習試合で対戦経験があるプロ注目の高橋晴との対決。5球団のスカウトが視察に訪れる中、第1打席は内外角を揺さぶられ二ゴロに倒れた。その後も2四死球で出塁したものの、5回は内角直球に見逃し三振を喫するなど、3打数無安打。「(球を)追いかけて形を変えてしまったのが打てなかった理由」と冷静に分析した。

 打てなくても主将としてナインを鼓舞した。ミーティングでは「(関東第一の連勝を)止めるのは俺ら。甲子園に行くには倒さなきゃいけない相手。ここに全てを懸けよう」と気合を入れ、緊張で顔がこわばっていた先発・中川―雪山の1年生バッテリーには「(昨夏甲子園4強時の捕手)加藤さんは(エースの)松本さんに笑顔で話しかけてリラックスさせてたよ」と助言。一塁守備ではフェンスに激突しながら邪飛をつかみ、6回無失点の中川をもり立てた。

 和泉実監督は「高橋君は清宮に対しての集中力は凄かったけど、他の選手に対してはそこまでじゃなかった。それを打てたのが良かった。彼がいるのは非常に影響があった」と振り返った。30日の準決勝では国士舘と対戦する。「ここで満足しちゃいけないけど一つになって戦えている」と清宮。3季ぶりの甲子園へ、一歩ずつ歩みを進める。 (松井 いつき)

 ▼関東第一・米沢貴光監督(都内での連勝が30で止まる)力がなかった。清宮君がいるから前の走者を出したくないという思いになるかもしれないが、それに負けないようにしないと。足元を見てリセットします。

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