野村 “内弁慶シリーズ”逆王手だ!第7戦黒田につなぐ

[ 2016年10月29日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ第6戦 ( 2016年10月29日    マツダ )

マツダスタジアムで調整する黒田(左)と野村
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 黒田に回せ――。日本シリーズが第7戦にもつれた場合、先発することが濃厚な広島の黒田博樹投手(41)は28日、第6戦に先発する野村祐輔投手(27)らとともに本拠地のマツダスタジアムで汗を流した。第6戦に勝って「逆王手」をかければ、3勝3敗で迎える決着戦。今季限りでの現役引退を表明しているベテラン右腕は自らの出番を待つ。

 小雨の降るマツダスタジアム。黒田は一球一球を確かめるように、キャッチボールを行った。47球を10分かけ、ポール間走も行った。シリーズ初登板した第3戦では右ふくらはぎがつって、6回途中に降板したが「全然大丈夫ですし、そうも言っていられない。2連勝しかない。しっかり準備し、マウンドに上がることがあるなら、最高のパフォーマンスを出せるようにしたい」と誓った。

 前回は札幌ドームでの登板だったが、今回は慣れ親しんだ本拠地のマウンドだ。「ほぼカープファンばかりの応援になる。アドバンテージは凄く大きい」と大声援を力に変える。中4日での登板は今季はないが、昨季は3度あり、2勝1敗、防御率2・25だった。大リーグ時代に慣れ親しんだ登板間隔でもある。

 今季限りでの引退を表明。くしくも大谷が第7戦に先発することになり、第6戦に勝てば現役最後の登板で「レジェンドVS二刀流」の初の投げ合いが実現することになった。それを報道陣から伝えられても「コメントすることはないです」と表情を変えることはなかった。誰が相手だろうが、関係ない。チームを勝たせることが全てだ。

 その黒田にバトンを渡すのは、第6戦に先発する野村だ。「勝たないといけない。必ず勝って、第7戦に行かないと、うちの日本一はない。しっかり向かっていく気持ちを持っていきたい」。黒田さんに絶対につなぐ――。イケメン右腕は珍しく強い口調で、闘争心を前面に押し出した。

 今季は16勝で初の最多勝に輝き、シリーズ第2戦でも6回2安打1失点で勝ち投手になった。中5日での登板は9月8日中日戦(マツダ)の1度だけ。それでも、畝投手コーチは「中5日でも大丈夫だと思う。いつも通りの投球をしてくれれば」と信頼は変わらない。

 野村がつなぎ、黒田も勝てば、32年ぶりの日本一を達成する。両球団がそれぞれの本拠地で全て勝つことになり、ダイエーが阪神を4勝3敗で退けた03年以来2度目となる。「内弁慶シリーズ」を完結させ、黒田は最高の花道を飾る。

 ≪第7戦では2度目 03年ダイエー以来≫今シリーズは第1、2戦のマツダで広島が連勝、第3~5戦の札幌Dで日本ハムが3連勝と全てホームチームが勝利。日本シリーズで開幕から5戦以上本拠地チームの勝利が続いたのは、79年広島―近鉄戦の6試合(広島V)、03年ダイエー―阪神戦の全7試合(ダイエーV)に次ぎ3度目だが、今回はどうなるか。

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