由伸巨人 盗塁増へリード大きく“またいで盗め” 走塁改革着手

[ 2016年10月29日 05:30 ]

白線を引いて盗塁の練習を行う巨人ナイン
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 勝利は盗め――。高橋巨人が3年ぶりのV奪回へ向け、走塁改革に着手した。28日、川崎市のジャイアンツ球場で行っている秋季練習で新たな首脳陣がそろった新体制をスタートさせ、新たな試みを盗塁練習で行った。

 一塁ベース横に井端内野守備走塁コーチが、1本の白線を引いた。アンツーカーの境目を想定したライン。長野、大田ら野手陣がそのラインを基準に、盗塁の練習を繰り返した。

 「(ラインより一塁側に)両足が入らないように。右足だけでも出るようにということ」と同コーチ。アンツーカーと人工芝の境目は、一般的にファウルラインから13フィート(約3・9メートル)で、ベースは一辺が約38センチ。つまり右足が一塁から約3・5メートル以上のリードを課せられたのだ。

 盗塁増は来季の大きな課題だ。昨季はリーグ最多の99盗塁だったが、今季は3分の2以下の62盗塁でリーグ4位。118盗塁の広島、132盗塁の日本ハムと両リーグのチーム盗塁数トップがリーグ制覇を果たしており、得点力アップと勝利には不可欠な強化ポイントだ。

 「数うんぬんじゃなくて、相手がプレッシャーを感じてくれれば。そぶりだけでも違う」と井端コーチ。リードの限界を知るために投手にけん制も投げさせて、それぞれのリード幅を確認。11月に宮崎で行う秋季キャンプも含め、今後は1クールに1、2度はメニューに組み込む。今秋はフリー打撃中に三盗練習や、投手の走塁練習も実施。走塁面を強化する。

 今季は坂本の13盗塁がチーム最多。代走のスペシャリストで引退した鈴木が10盗塁で、2桁盗塁は2人だけだった。「それぞれがいろんな意見を出し合ってやっていければいい」と高橋監督。V奪回へ、まさに「スタート」を切った。 (春川 英樹)

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