広島3戦連続救援失敗で崖っ縁 痛恨被弾の中崎、無言のままバスへ…

[ 2016年10月28日 08:05 ]

SMBC日本シリーズ2016第5戦  ( 2016年10月27日    札幌D )

<日・広>9回2死満塁、西川にサヨナラ弾を打たれた中崎はぼう然と引き上げる
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 日本ハムファンの大歓声は耳に入らない。広島・中崎は肩を落とし、自問自答するかのように首を小さく左右に振りながらダッグアウトに向かった。痛恨。まさに痛恨。サヨナラ満塁弾を喫した守護神は、言葉を発せずバスに乗り込んだ。

 同点の9回に登板。1死から四球と犠打で2死二塁のピンチを招いた。中島を打たせて取った…つもりが、投前へ転がった打球はボテボテ。速い足との競走で焦り、一塁に低投して内野安打とされた。岡には初球をぶつける死球。動揺を隠せないまま、2球目の速球を西川に捉えられた。

 中崎はポストシーズンの過去4度の登板で全て1回零封してきた。CSファイナルS第4戦でDeNA・筒香、このシリーズでも第2戦で大谷を空振り三振させた直球が打ち砕かれ、後がなくなる黒星を喫した。札幌の3試合は全て救援陣が誤算。緒方監督は「結果を見れば、この3連戦は四球から失点している。あの(中島の)内野安打から流れが行ってしまったね…」とうめいた。

 沢村賞投手・ジョンソンを立てて先行。王手をかける1勝へ、勝利の方程式で3イニングをしのげば良かった。だが、7回の今村が岡に犠飛を許して1―1。ここも先頭・田中賢への四球からだった。「内容が良くなかった。先頭への四球が全て」。8回のジャクソンとともにシリーズ初戦から5試合連続登板で、1956年の西鉄・稲尾和久以来60年ぶりの記録をつくったが、最も欲しい勝利がついてこなかった。

 中崎が岡に死球を与えて両軍が一触即発の様相となった時、真っ先にベンチを出たのはジャクソンだった。3人の絆で、次こそ勝利を守りたい。緒方監督は「また地元に帰ってもう一回。最後踏ん張らないと」と強い口調で会見を締めた。

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2016年10月28日のニュース