沢村賞に広島・ジョンソン 外国人選出は52年ぶり 「該当者なし」の声も

[ 2016年10月24日 17:00 ]

沢村賞を受賞したジョンソン
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 「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が都内で開かれ、広島のクリス・ジョンソン投手(32)が初選出された。外国人投手の選出は1964年のバッキー(阪神)以来、52年ぶり。

 沢村賞の選考基準は(1)15勝以上(2)150以上の奪三振(3)10以上の完投試合数(4)2・50以下の防御率(5)200イニング以上の投球回数(6)25以上の登板数(7)6割以上の勝率。以上の7項目を参考に堀内、平松政次、村田兆治、北別府学、山田久志各選考委員による選考委員会で決める。

 ジョンソンは防御率2・15、15勝など7項目中4項目を満たすにとどまったが、「巨人の菅野は勝利数が1桁、広島の野村は最多勝だが投球回、三振数が足りない。ロッテの石川は投球回が足りない。1人残ったのがジョンソン」(平松委員)、「ローテーションを守り抜き、カープの優勝に大きく貢献した」(山田委員)など広島のリーグ優勝に年間を通して貢献したジョンソンの安定感を理由に挙げた。

 一方で81年の西本聖(巨人)以来となる主要部門のタイトルを獲得していない投手の選出だったため、選考委員会では「該当者なし」の声も挙がった。昨年受賞の前田健太(広島)は7項目中6項目をクリアしていたが、今回の候補投手の最高が4項目だったことから、村田委員は「該当者なしが最初から結論だった」とし、堀内委員長も「少し想像より成績的に低い」と難しい選考だったことを明かした。

 堀内委員長は「今年の70回目の受賞がジョンソンで区切りとし、(来年の)71回目から基準の見直す必要がある」と明言。完投数、投球回数を引き下げる方針を打ち出し、新たに先発投手が6イニング以上を投げ、かつ自責点3以内に抑えたときに記録されるクオリティ・スタート(QS)率を選考時の参考入れることが検討されることになった。リリーフ陣が充実しているチームは早めの継投に入る傾向を指摘し、今季のジョンソンが先発26試合中24試合と抜群のQS率(92%)を誇ったことを挙げ、時代に合った選考基準の見直しが行われる方向だ。

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