エルド 日本S球団初2戦連発「集中力がさらに増している」

[ 2016年10月24日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2016第2戦 ( 2016年10月23日    マツダ )

<広・日>6回1死、エルドレッドは中越えにソロ本塁打を放つ
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 甲高い衝突音を響かせ、白球は左翼席スタンドへとはじけ飛んだ。6回の猛攻を締めくくったのは広島・エルドレッドだ。2死無走者。鍵谷に2球で追い込まれたが、外角高めの見逃せば完全なボール球を丸太のような両腕で豪快にしばき上げた。

 「打てる球だと判断したんだ。だから、できるだけコンパクトにしっかりと打った」。バットに当たりさえすれば、打球はどこまでも飛んでいく。リードを4点に広げ、相手の戦意を根こそぎ奪った。

 前夜は165キロ右腕・大谷から右翼へアーチを架けており、広島の打者で日本シリーズ第1戦からの2試合連発は初。「特別な雰囲気の中で野球ができて、集中力がさらに増しているんだ」。長髪がトレードマークの大男は分厚い胸を張った。

 来日5年目。5年連続2桁本塁打を記録し、通算本塁打は101を数える。最も印象に残る本塁打には13年9月25日中日戦(ナゴヤドーム)で8回に放った先制、決勝の2点弾を挙げる。「日本に来て、カープの役に立てて本当に良かったと思ったよ」。この試合でチームは16年ぶりAクラスと初のCS進出を決めた。助っ人は大舞台に強い。

 日本生活にもすっかりとなじみ、日本語の聞き取りには困らない。それどころか、電話で宅配ピザの注文ができるだけの語学力も身につけた。

 「札幌でファイターズもリラックスして試合に臨んでくると思うが、自分たちは今まで続けてきた野球をやるだけだ」

 日本を愛し、カープを愛する心優しき大男は一振りで空気を、試合の流れを変える。 (桜井 克也)

 ≪最多は3試合連続本塁打≫エルドレッド(広)が6回に2戦連続のシリーズ2号。日本シリーズの第1、2戦連続本塁打は、08年中島(西)以来17人で19度目だが、広島では初めてだ。また、第1、2戦ともに勝利に結びついたのは05年李スンヨプ(ロ)以来6人目となった。なお、同一シリーズの最多連続試合本塁打は58年第5~7戦の中西(西鉄)、85年第1~3戦のバース(神)、00年第1~3戦の城島(ダ)、03年第3~5戦の金本(神)の3試合。エルドレッドが明日の第3戦でタイ記録に挑戦する。

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