野村 光った!頭脳的ボール攻め 上位打線初球は打ち気そらし料理

[ 2016年10月24日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2016第2戦 ( 2016年10月23日    マツダ )

<広・日>6回1失点の野村
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 赤く染まったマツダスタジアム。お立ち台に上がった広島・野村は、「(立ち上がりは)凄く緊張したんですけど、声援のおかげで良いピッチングができた」と観客へ感謝を口にした。

 6回を投げ、わずか2安打で1失点。自責点はなかった。DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルSと同様に、初戦ジョンソンの次で勝ち名乗りを受けた。

 「序盤にピンチが多かったけど、粘ることができた。思い切って投げられました」

 広陵(広島)3年夏に甲子園で準優勝し、明大4年で明治神宮大会を制覇。「日本一」を争う場はアマ時代に踏んできたが、この大舞台の緊張感はまた別だ。その中で見せた、最多勝投手らしい「勝つ投球」。初回1死から中島に二塁打を浴びても、慌てなかった。近藤を空振り三振。4番の中田は無理をせず四球で歩かせた。初戦で本塁打を放ち7番から5番に昇格したレアードは、フルカウントから右飛。1回で実に26球を要したが、計算通りでもあった。

 初回に対戦した5人の打者への初球は全てボール。3人は3ボールにした。積極的な日本ハム打線に、あえてボールから入った。結局、5番までの上位打線は延べ15打者に11度が初球ボールだったのに対し、6番以下の9打者中6打者が初球ストライクとメリハリをつけた。カットボールなど動くボールで打ち取るスタイルだが、早い勝負を避け打線を封じた。

 唯一の失点は4回2死一、二塁での名手・菊池の適時失策。まさかの同点劇だったが、「いつも何倍も助けてもらっている」と落ち着いて後続を封じ、105球を投げきった。チームの25年ぶりの日本シリーズ。前回は野村はまだ2歳だった。強力投手陣の系譜を継ぐ右腕を、緒方監督は「祐輔が本当にいいピッチングをしてくれて、その後のピッチャーも続いてくれた」と称えた。

 25日の第3戦は、敬愛する黒田が先発する。「チーム一丸となって黒田さんを胴上げできたらいい」。現役最終章のレジェンドにバトンをつなぐ責任を果たした。

 ≪勝ったのは野村が初めて≫野村(広)がシリーズ初登板で勝利。今季公式戦では16勝を挙げ最多勝。同タイトルを獲得したシーズンにシリーズ初登板勝利は14年第1戦メッセンジャー(神)以来8人目。広島では75年外木場、86年北別府、91年佐々岡と最多勝でシリーズ第1戦に初登板したがいずれも未勝利。勝ったのは野村が初めて。

 ≪V確率76%≫広島が2連勝。シリーズの連勝スタート(△○○を含む)は過去34度あり優勝したのが26度でV確率は76%になる。広島の連勝スタートは86年に△○○○と初戦引き分けから3連勝して以来30年ぶり2度目。1、2戦連勝は球団史上初めてだ。第3戦からは札幌ドームに舞台を移すが、本拠地連勝スタート→敵地は98年横浜から昨年のソフトバンクまで6チーム連続で日本一。今回の広島はどうか。

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