育ちつつある打力兼備の若手捕手

[ 2016年10月20日 10:40 ]

ロッテ・田村、6月には月間MVPに輝いた
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 【宮入徹の記録の風景】18日にスポーツニッポン新聞社制定「2016年度プロ野球最優秀バッテリー賞」の選考委員会が開かれた。この会議には筆者も91年の第1回から今回まで、記録資料を説明するため末席ながら参加させてもらっている。

 今年の8月14日に本紙評論家を長く務めていただいた豊田泰光さんが81歳で他界された。今回は豊田さん不在の会議となり、とても寂しく感じた。現在スポニチ評論家の最年長者である張本勲さん(76)は、これまで豊田さんと選考委員会で絶妙な掛け合いを繰り広げた。お二人は互いに厳しい意見を戦わせても常にユーモアにあふれ、会場が爆笑の渦に包まれたのは一度や二度のことではない。亡くなられた豊田さんには四半世紀を超えたバッテリー賞の行方を、天国から見守っていただきたいと願わずにはいられない。

 今回パ・リーグのバッテリー賞はロッテの石川(28)、田村(22)のコンビがともに初めて選出された。会議中、話題に上ったのが若手捕手・田村の打力を褒める言葉が多かったこと。投手の数が増え、配球のやりとり、サインプレーなど複雑化する一方の捕手環境にあって、合格点といえる打率を残すことは難しい。そんな中、田村は130試合にマスクをかぶり打率・256。14年・156、15年・170と1割台の打率から大きく数字を伸ばした。もっとも打席数は430。規定打席の443には13打席足りず、打撃成績に名を連ねることはできなかった。来季は規定打席に到達し、なおかつ、今季の打率を超えることが目標になるだろう。

 バッテリー賞とは離れるが、セ・リーグの若手捕手に目を転じると阪神・原口(24)が打力を武器に成長著しい。こちらも規定打席には足りなかったが、318打数95安打の打率・299。7月31日の中日戦では、球団史上78年田淵幸一以来となる4番・捕手として先発出場を果たした。阪神で規定打席に達し、打率3割以上の成績を残したのは10年城島健司(・303=12位)まで5人(7度)。最近では03年矢野輝弘が打率・328で3位となり、そのシーズンにチームは独走優勝。前記、城島の10年は優勝した中日と1ゲーム差の2位と健闘した。原口も打力を磨き、リード面でも投手力の底上げに貢献できるか今後が楽しみだ。(専門委員)

 ◆宮入 徹(みやいり・とおる)1958年、東京都生まれ。同志社大卒。スポニチ入社以来、プロ野球記録担当一筋。94年から15年まで記録課長。

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