大和 本気や!スイッチヒッター挑戦 自慢の快足最大限に生かす

[ 2016年10月19日 08:45 ]

特打で左打席に入り、鋭い打球を放つ大和。奥は金本監督
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 野球人生をかけた、大きな、大きな決断だ。阪神・大和外野手(28)が18日、スイッチヒッターに挑戦することが明らかになった。片岡篤史打撃コーチ(47)の提案を受け、即決。ここ2年は規定打席に届かないなど出場機会が限られつつあった中堅が、巻き返しへ新境地を開く。

 驚きの光景だった。甲子園球場で始まった野手の秋季練習第3クール初日。全体メニュー終了後の居残り特打に指名された大和は、ティー打撃を左打ちで開始した。体のバランス感覚を養う目的か…と思われたが、なんと、フリー打撃でも左打席に入った。少々のぎこちなさはあるものの、クセのないスイングを披露。70スイングで安打性の打球は25本だった。

 「何でチャンスが起こるかわからないですし、そういう部分では、(来季以降に向けて)良い(決断)かなとは思います。(決断に至るまでの悩みは)そんなに考えていないですね」

 終了後、充実した表情で取材に応じ、堂々と『新挑戦』を公言した。内外野両方で誇る高い守備力と俊足など身体能力はチーム随一。その一方で打撃力が長年の課題とされており、今季も229打数53安打、打率・231に終わった。自身の成績もさることながら、超変革の旗印のもと高山、北條、中谷ら若手選手が続々と台頭。今季の先発出場はわずか57試合にとどまった。片岡打撃コーチがスイッチ挑戦を発案した意図を明かす。

 「守りが良いからね。なんとか(試合に出る方向に)したいというのもあるし、本人もなんとかしたいという気持ちがある。(対)右投手の内容が悪かったから(今季136打数26安打、打率・191)。挑戦するということ」

 それは、持てあます「走・守」をチームに還元するための秘策と言えた。実は秋季練習初日の9日から、室内練習場で改造に着手。この日、晴れてお披露目となった。

 金本監督も「ダメ元でもチャレンジさせてみようということで。(チャンスを広げるため)そう」と経緯を明かす。実戦に臨めるレベルに到達すれば、投手の左右問わず出場機会を得られる。また、左打席なら自慢の快足を最大限に生かすことが可能だ。

 来季で30歳。この年齢での挑戦は極めて異例だが「別にそこは気にしない。振り込むしかないですね」と力を込めた。巻き返しを期す2017年。なりふり構わず、覚悟を決めた。 (巻木 周平)

 ▼阪神のスイッチヒッター 現役では西岡と、来季で3年目を迎える植田の2人。チームの両打ち選手が規定打席に到達したのは、13年の西岡が最後。生え抜き選手に限ると、90年の大野久以来になる。

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