2016年はクリーブランドの年!インディアンス、キャブスに続く快進撃

[ 2016年10月19日 07:30 ]

3連勝を飾り喜ぶインディアンスの選手たち(AP)
Photo By AP

 クリーブランドが燃えている。現地17日現在、インディアンスが破竹の3連勝で19年ぶりのワールドシリーズ進出に王手をかけた。6月のNBAファイナルでは地元のキャバリアーズが初優勝を遂げたばかり。盆と正月が一緒にやってきたような騒ぎに町が揺れている。

 過去、同じ本拠を持つNBAとMLBのチームが同一年に頂点に立ったのは1988年のレイカーズとドジャースのただ一度しかない。

 一部で議論されるものに、02年にロサンゼルス・レイカーズとアナハイム・エンゼルスが優勝したケースがある。ただ現在は「ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム」と球団名を改めたエ軍だが、当時は「ロサンゼルス」を名乗ってはいなかった。また両チームの本拠地もおよそ50キロほどの距離とかなり離れている。これは含めない、という考えが米国でも一般的だ。

 インディアンスとキャバリアーズのスタジアムは隣接している。NBAの大スターであるレブロン・ジェームズは、ポストシーズン中もイ軍のグラウンドに駆けつけ、スタンドを大盛り上がりさせた。両チームの絆も深い。

 オハイオ州北東部に位置するクリーブランドは、全米45位の人口約40万人で大都市ではない。10年には経済誌フォーブスの調査で「全米で最も惨めな都市」とされたことも。治安も良いとは言えない。ただスポーツ熱は昔から高く、4大スポーツでは他にNFLのブラウンズも本拠としている。

 「10月25日はとんでもないことになるぞ」

 地元メディアやファンたちは、今からその日が待ち切れない様子だ。当日にはワールドシリーズ第1戦。今夏のオールスターでア・リーグが勝ったため、イ軍がワールドシリーズに進めば第1戦を本拠で行うことは決まっている。実はこの日はキャバリアーズの16~17年シーズンの開幕戦(対ニックス)が本拠で組まれ、チャンピオンリング授与式などが行われるのだ。

 「同じ本拠の2チームがこんな快進撃を見せるなんて、信じられないね。最後までインディアンスを応援し続ける。地元のファンは息抜く暇さえないよね」。レブロン・ジェームズは12日にそう語り、可能な限り球場でイ軍の試合を観戦することを誓った。

 キャバリアーズはトロント・ラプターズを下しファイナル進出を決め、イ軍はトロント・ブルージェイズとワールドシリーズ進出を争っているという縁もある。

 1964年のブラウンズ以降、優勝チームが出せない町の負の歴史はキャバリアーズが止めた。そしてインディアンスが2016年を「クリーブランドの年」に変えようとしている。(記者コラム・後藤 茂樹)

続きを表示

2016年10月19日のニュース