大谷 黒田と打者で初対決へ 著書も愛読「最後に対戦できるのは幸せ」

[ 2016年10月19日 05:30 ]

日本シリーズ

白村(左)にちょっかいを出し反撃される大谷
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 日本ハム・大谷翔平投手(22)が18日、日本シリーズで広島・黒田博樹投手(41)との「最初で最後の対戦」を熱望した。将来的なメジャー挑戦を夢見る大谷にとっては憧れの存在。最後の雄姿を目に焼き付け、二刀流としてさらに成長する覚悟だ。投手としては22日の第1戦の先発が有力で、新たなモチベーションにもなる。10年ぶりの日本一を目指すチームはこの日、札幌ドームで日本シリーズに向けた練習を再開した。

 野球の神様は最高の舞台を用意した。札幌ドームのロッカールーム。全体練習を終えた大谷は、ニュースを見たナインの驚く声で「黒田引退」の一報を知った。驚きと戸惑い。だが、うれしくもあった。「もう見られないのかなと思うと寂しいけど、最後に対戦できるのは幸せだと思う」。素直な気持ちだった。

 黒田が国内に電撃復帰して2年。投げ合ったことも、打者として対戦したこともない。頭に描いたのは「打者・大谷」としての対決。「そういうチャンスはなかなかない。勉強することは多いと思う。対戦することになったら、もちろん必死に食らいつくし、必死に打ちにいく」。メジャーの強打者も牛耳ってきた百戦錬磨の投球術、そして黒田の代名詞ともいえる左打者の内角ボールゾーンからの「フロントドア」…。打席で目に焼き付けることは「投手・大谷」をも成長させる。

 大リーグ志向の強い大谷にとっては「ドジャース、ヤンキースのイメージが強い」と言うように憧れの存在。黒田の著書「クオリティーピッチング」を愛読し、「“毎試合、毎試合、引退登板だと思って(マウンドに)上がる”というのは聞いたことがある。そういう覚悟をもってやっているのは凄く勉強になる。黒田さんみたいに凄いパフォーマンスを長年出せる選手になりたい」。日米通算203勝右腕の生きざまはこれ以上ない刺激だった。

 最速165キロを誇る二刀流対レジェンド。大谷は「お互い全力でぶつかりあって僕らは僕らの野球を最後まで続ける」とも言った。いざ決戦へ、気合はみなぎった。 (柳原 直之)

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