ロッテ 創価大・田中をドラ1指名へ 12球団で初めて公表

[ 2016年10月18日 05:30 ]

創価大の田中
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 ロッテは17日、QVCマリンでスカウト会議を行い、20日のドラフト会議で最速156キロを誇る創価大・田中正義投手(4年)を1位指名することを公表した。12球団で1位指名を明かしたのは初めて。来季の続投を受諾した伊東勤監督(54)は球団に戦力補強を要望しており、最大8球団の競合が予想される今ドラフトの目玉となる右腕の獲得を狙う。

 ドラフト会議を3日後に控え、突然の1位公表だった。スカウト会議を終えた松本尚樹編成部長は「田中で行きます」と言い切った。伊東監督や球団幹部らも参加した会議は5時間に及んだ。これまでに即戦力投手を1位指名する方針を固めており、この日の会議で156キロ右腕の指名が決まった。他球団の1位予想が難しい豊作の年に12球団で初の公表。あえて手の内を明かすのは、ほれ込んでいる証拠だった。

 田中は昨年6月29日に行われた侍ジャパン大学日本代表とNPB選抜との壮行試合でプロ相手に7者連続を含む8三振を奪い、4回を完全投球。一躍脚光を浴びた。3年春から4年春にかけては東京新大学リーグ記録となる56イニング連続無失点をマーク。史上初の「12球団1位指名」も予想されたが、今春に右肩を痛めた。

 それでも松本編成部長は「ケガさえしなければ、12球団が競合するかという投手。今さら言うこともない。今は問題なく投げている」と評価する。田中は大学ラストシーズンの今秋に復活。今月15日の流通経大戦ではロッテの林信平球団本部長らが視察する中、最速154キロをマークし、3失点で完投した。伊東監督も「使えるという判断ができた」と話した。

 ロッテは今季3位で2年連続のAクラス入りとなったが、優勝した日本ハムとは15ゲーム差、2位・ソフトバンクとは12・5ゲーム差をつけられた。チーム防御率は両球団に次ぐ、リーグ3位の3・66。伊東監督は「高校生も生きのいい投手がいっぱいいるけど、将来性よりもまず来年。即戦力の投手に参戦するのが当たり前」と言った。今季10勝のエース涌井、14勝の石川の二枚看板に続く先発候補として田中の1位指名に踏み切った。

 田中の1位指名は最大8球団が競合することが予想される。伊東監督は13年に石川、昨年も平沢をいずれも2球団の1位競合の末に引き当てた。抽選は2戦2勝だが、今回は「僕は遠慮したい。社長に(くじを)引いてもらいたい」と山室晋也球団社長に託し、将来のエース候補を獲得する。 (渡辺 剛太)

 ◆田中 正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日、神奈川県生まれの22歳。創価高では1年夏に背番号1をつけたが、右肩痛により同年秋から外野手転向。甲子園出場なし。創価大で投手に再転向し、3年春から4年春のリーグ戦まで56イニング連続無失点を記録した。2年時の全日本大学選手権で3勝を挙げ特別賞。3年時には大学日本代表に選ばれ、ユニバーシアードの金メダルに貢献。1メートル86、89キロ。右投げ右打ち。

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