【キヨシスタイル】大谷一本釣り…再発防止へ明確なドラフト制度の確立を

[ 2016年10月18日 11:30 ]

日本ハムの大谷
Photo By スポニチ

 クライマックスシリーズ(CS)が終わり、いよいよ22日に日本シリーズが開幕する。その前に控えているのが20日のドラフト会議。というわけで今回はドラフト制度について書きたい。

 私の中でずっと引きずっていることがある。2012年のドラフトで日本ハムが大谷翔平(花巻東)を一本釣りしたことだ。DeNAの監督として会場にいたんだけど、こんなことがあっていいのかと思った。

 大谷はドラフト会議の4日前に記者会見を開いて「アメリカでプレーさせていただくことに決めました」とメジャー挑戦を表明。喉から手が出るほど欲しい選手だったけど、あんなにはっきり夢を語られたら邪魔できない。「どこでもOK」だったら全12球団が競合したかもしれないスーパー逸材。泣く泣く指名をあきらめた球団はDeNAだけじゃない。

 ところが、日本ハムが強行指名し、単独で交渉権を獲得。結果的に一本釣りした形になるんだ。早大進学一本で指名お断りの姿勢を示しながら、巨人に単独1位指名されて入団した桑田真澄のケースを思い出した人も少なくないと思う。

 大谷は純粋にすぐ米国へ行きたかったんだろうし、交渉過程を見ても裏取引はなかったと思う。そう思うけど、何かあったんじゃないかと勘ぐられても仕方ない。結果的に「どうしても単独で獲りたい選手がいたら、こんな方法もあるよ」という“抜け道”を示したんだから。今や高校生はプロ志望届を提出した選手しか指名できない。「大学」は隠れみのにできなくなったけど「大リーグ」はOKなのだ。

 私が訴えたいのは、こんなドラフト制度のスキを見逃し、あやふやなままにしてていいのかってこと。決して大谷や日本ハムを批判してるわけじゃない。世の中全体に透明性が求められているご時世。寝技や裏技じゃなく、胸を張ってスカウトの眼力で勝負できる制度を確立してもらいたいんだ。

 今年はいないようだけど、大谷のようにいきなりメジャーに挑戦したいという高校生がきっとまた出てくる。そのとき、NPBとしてどう対応するのか。12球団で協議して、互いに抜け駆けを許さない明確なルールをつくってほしい。 (中畑 清・スポニチ本紙評論家)

続きを表示

「名将かく語りき〜歴史を彩った勝負師たち〜」特集記事

「稲村亜美」特集記事

2016年10月18日のニュース