【追球】同点阻止したハム西川の“引く勇気” 試合の流れ決めたクッションボール

[ 2016年10月17日 08:50 ]

パ・リーグCSファイナルS第5戦 ( 2016年10月16日    札幌D )

<日・ソ>5回2死一塁、長谷川の打球をすぐに返球する西川
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 一瞬の判断がソフトバンクの反撃を阻んだ。5―4と逆転した直後の5回2死一塁。長谷川の打球は左翼後方に上がった。背走した日本ハムの西川は外野フェンス前で思い切ってグラブを差し出せば、届くか微妙な距離だったが、瞬時にクッションボールを処理することに切り替えた。

 「捕れるのが一番だが、捕れないでクッション(ボールを狙う)なら止まるしかない。あとは、しっかりとカットマンまで投げるだけ」

 フェンスにはね返った打球を素手でうまくつかめなかったがグラブで捕球し直すと、遊撃手・中島まで素早く返球。一塁走者・内川は三塁を蹴って本塁突入したが、2人の中継プレーは見事なストライク返球で同点のホームインを阻止した。

 一見、基本通りの単純な動きに見えるが、その裏には、西川の入念な準備が隠されている。「運もあるが、長谷川さんの(左方向の)打球は飛ぶというのが頭に入っていた。あとは捕手が代わったので配球も変わると思った」。この回から大野に代わって、市川がマスクをかぶった。1、2打席目の長谷川に対しては、先発マスクの大野が内角を攻めた。だから、3打席目は外角の配球になると読んでいた。

 川名外野守備走塁コーチも絶賛した。「長谷川の打球の質、クッションの方向まで予測していた。引く勇気も必要だからね」。派手なプレーではないが、試合の流れを決めたビッグプレーだった。 (横市 勇)

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