金本流“ひいき指定”で競争心あおる「俺は堂々とやる」

[ 2016年10月16日 06:28 ]

中谷を熱心に指導する金本監督
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 「ひいき指定」で、競争心をあおる!阪神・金本知憲監督(48)が15日、29日から高知・安芸で始まる秋季キャンプで2~3人の若手選手をピックアップし、重点的に個別指導する方針を示した。選抜した有望株の能力を伸ばすと同時に、その選から漏れた若虎たちの競争心もあおることが目的。有力候補には中谷、板山が挙がっている。

 チーム力の底上げを図るために、あえて「ひいき」する。今季シーズン中には高山、北條をレギュラー候補に挙げ、特別に個別指導で鍛えた金本監督。秋季キャンプで、その第2弾に着手する。

 「そう(秋季キャンプでも差別化することに)なると思うよ。俺が差別化して見ていかないと。片岡は全体を見ないといけないからね。俺は堂々とやる。ピックアップされないということは、そのレベルまで来ていないんだぞ、ということ」

 狙いは二つある。まずはピックアップ選手の能力向上。そしてもう一つは、選ばれなかった選手たちの競争心をあおることだ。指揮官自身、広島の若手時代に強化指定から漏れた悔しさを糧に、主力選手まで這い上がった経験を持つ。特定選手の「ひいき」は、それ以外の選手たちへの「叱咤(しった)激励」の意味も併せ持っているというわけだ。

 選定材料はパフォーマンスと伸びしろ。現在、秋季練習に参加している選手では中谷が最有力候補だ。この日も打った後に腰が浮き上がる悪癖を修正するためにマンツーマン指導し、課題のスイングスピード向上のために1キロバットの使用も命じた。「もう少しスイングにスピードが出てきてバットの出が良くなったらね。体格も良いし力もあるから」と指揮官。鍛えがいのある素材として期待を寄せた。

 秋季練習にいない選手にも門戸は広げてある。「(フェニックス参加メンバーも)秋季キャンプで『コイツは…』というのを見せてくれたら、土俵に上がってくる。板山とかは、その候補。紙面でも見ているし、報告もあるし。今岡とも話している。今岡は、けっこうほめていた」。フェニックスリーグで目下、打率・423、1本塁打、5打点と躍動する板山も、有力候補の1人だ。

 一方で、これまで強化に努めてきた高山と北條に関しては、「ひいき指定」からの“卒業”を示唆。「北條とか高山は、今年3カ月も早出で付いたし。軽いチェックができれば。(最初の)1から5くらいまでは行っているレベル。高山にしても」。1人でも多くの若虎を1軍戦力に―。そのためには心を鬼にする。(惟任 貴信)

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