【追球】広島 ジョンソンが初戦で狂わせた筒香のストライクゾーン

[ 2016年10月16日 07:35 ]

セ・リーグCSファイナルS第4戦 ( 2016年10月15日    マツダ )

12日の第1戦、9回2死一塁、ジョンソン(左)の前に右飛に倒れ、最後の打者となる筒香
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 1点リードの9回2死一塁で迎えたDeNA・筒香に対し、中崎―石原のバッテリーはカウント2ストライクと追い込んで、高めのつり球を選択した。高低を間違えれば、一発で逆転となる場面。だが、筒香のバットはあっさりと空を切った。

 危険な球種、高低選択に見えたが、中崎は「普通にやれば打ち取れると思っていた」と自信を持って投げ込んだ。2冠王に対し、広島バッテリーは心理面で絶対的優位に立っていた。筒香は、4打席目となった7回に低めの明らかにボールとなるフォークボールに3球とも手を出した。小林投手コーチは「(CSを通じて)筒香がストライクゾーンを広めにとっている状態だった。そうなれば、内外角、高低を広く使って打ち取ることだけだった」と明かした。

 小林コーチは「初戦のジョンソンが内外角、緩急をうまく使って打ち取ってくれた」と続けた。12日の第1戦、初回の第1打席。フルカウントからの122キロカーブに筒香の体勢は崩れた。その後もジョンソンはストライクをほしがらず、コースに散らした。本来はボール球に反応せず、カウントを打者有利にしながら戦うことができるのが筒香。だが、そのスタイルは崩れ、4戦で16打数1安打と完封することにつながった。

 捕手の石原は「前に走者を出さないことが前提で、自分の球を投げてもらうこと」と話した。4戦17打席で、筒香の得点圏に走者を置いた打席はわずか1。投手が自分の球を投げ込む状況をつくったことも勝因だった。 (倉橋 憲史)

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2016年10月16日のニュース