広島“大のビール党”広輔 MVP打率.833「今日は2本、長い方で」

[ 2016年10月16日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第4戦 ( 2016年10月15日    マツダ )

<広・D>5回2死二塁、田中は左前適時打を放つ
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 広島が91年以来25年ぶり7度目の日本シリーズ進出を決めた。15日、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦でDeNAに8―7で勝利。リーグ優勝アドバンテージ1勝を加えた4勝1敗で同ステージを突破した。MVPは打率・833の田中広輔内野手(27)。1番打者の出塁を、緒方孝市監督(47)が短期決戦の流れを見極めた采配で生かした。パ王者との頂上対決は22日から本拠地マツダスタジアムで始まる。

 敵地・東京ドームを包んだ興奮が、地元でよみがえった。「ファンの皆さま、クライマックスシリーズ突破、おめでとうございます!」。緒方監督が張りのある声で9月10日のリーグ優勝インタビューと同じ言葉を発すると、満員のスタンドで笑顔の花が咲いた。

 機を見るに敏。強攻策を主としたレギュラーシーズンとはひと味違う采配で、3勝を積み重ねた。零敗から一夜明けての第4戦。初回、先頭・田中が6球連続ファウルで粘った末の11球目を見極めて四球を選ぶと、2番・菊池に迷わず送りバントを命じた。大量6得点への扉が開いた。

 「今シリーズはバントが点につながる流れを感じていた。采配や選手起用に迷いはなかった」

 ファイナルSの総得点は16。うち6点を手堅い作戦で奪った。「もっと打っていきたい気持ちはあった。できなかったのは自分の経験のなさ…だと思う」。謙虚に言ったが、今季19・5ゲーム差をつけたDeNAに屈するわけにはいかない中で、果断さが光った。

 バント策を可能にした先兵が田中だ。4試合で12打数10安打の打率・833。17打席で実に15度出塁、出塁率・882を記録し「自分でもびっくりしている数字」とはにかんだ。この日も打者一巡した初回の第2打席で6点目を挙げるなど適時打2本。2四球も選び、8回の三振が今CS2度目の凡退だった。緒方監督に、夏場に活躍した鈴木のように「このシリーズの広輔は“神ってた”」と言わしめた。
 
 フォアザチームの精神にあふれるリードオフマン。それは東海大4年時に形成された。春の首都大学リーグで相応の成績を残せばプロ志望届を出す予定だったが、打率1割台に低迷。4年間で4年春だけリーグ優勝を逃した。「プロには行けない」。挫折を味わい、個人主義を捨てた。考え方が変わると成績も上昇。同年秋のリーグ戦で首位打者を獲得した。「大学4年の春までと秋以降では、同じ田中広輔でも野球人としては別人」と自認。大のビール党ながらCS期間中は禁酒に努めたが「今日は2本、飲みますよ。長い方(ロング缶)で」と笑った。

 10月15日は1975年に初優勝を果たした記念日だった。次は12球団で最も遠ざかる、84年以来32年ぶりの「夢」を懸けた戦いだ。「手応えを感じています。日本一を目指し、一丸で戦います」と緒方監督。セ界を圧倒した広島の挑戦には、まだ続きがある。

 ≪過去の4チームはいずれも日本一≫広島がCSファイナルSを制し91年以来25年ぶり7度目の日本シリーズ進出を決めた。日本シリーズに25年以上のブランクを経て出場するのは98年横浜(38年ぶり)、99年ダイエー(26年ぶり)、05年ロッテ(31年ぶり)、06年日本ハム(25年ぶり)に次いで5チーム目。過去の4チームはいずれも日本一。広島も84年以来32年ぶりの日本シリーズ優勝で続くか。

 ≪セ界新6打数連続安打≫田中(広)が12打数10安打、5四球で打率・833、出塁率・882と大暴れ。プレーオフ、CSで同一ステージ10安打以上は05年第2S川崎(ダ)の10安打、15年ファイナルS阿部(巨)の11安打に次ぎ3人目。また第2戦の4打席目から3四球を挟み6打数連続安打。14年パ・ファイナルSの松田(ソ)と並ぶ最多タイ。セでは12年ファーストS大島(中)、15年ファイナルS川端(ヤ)の5打数連続を抜く新記録になった。

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