黒田 CS初40代黒星も…日本Sで本領発揮だ

[ 2016年10月15日 05:41 ]

セ・リーグCSファイナルS第3戦 ( 2016年10月14日    マツダ )

<広・D>5回2死一、三塁、梶谷に右前適時打を打たれた黒田
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 セ・リーグのクライマックス・シリーズ(CS)は14日、ファイナルステージ第3戦があり、広島は本拠地で3位・DeNAに初黒星を喫した。黒田博樹投手(41)がエリアンに先制2ランを被弾するなど、5回7安打3失点で無念の降板。攻撃陣も井納の前に「0」を並べた。アドバンテージの1勝を含め、これで対戦成績は3勝1敗。優位性は変わらず、15日の第4戦に勝つか引き分けで、25年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。

 勝利投手としてリーグ優勝に貢献した9月10日のように、自らの投球でCS突破とはならなかった。勝つか引き分けで日本シリーズ進出が決まる節目の一戦で、悔しすぎる敗戦。黒田は潔く、その責任を負った。

 「結果的には、本塁打と5回の1点がゲームを分けた。防げる点を防がないとこうなる。結果がすべてです…」

 走者は出すものの、シーズン同様に粘って後続を断つ。序盤3回までは順調だった。歯車が狂ったのは4回だ。筒香、梶谷といった要注意の2人を簡単に抑え、2死から倉本に中前打。続くエリアンには先制2ランを右翼最前列に運ばれた。

 「本塁打は防がないといけない場面。追い込んで安易に行きすぎた…」

 カウント1―2から、宝刀ツーシームが内寄りに甘く入った。今季3打数無安打に抑えていたが、ポストシーズンで許した“初安打”の代償は小さくなかった。

 5回には逆球が増え、重い1点を失った。2死三塁で筒香を敬遠気味の四球を歩かせるまでは想定内だが、梶谷に右前適時打を許すと、黒田は一瞬その場に立ち尽くした。痛い追加点。自責の念にさいなまれていたのは明らかだった。

 10月1日、ヤクルトとの今季最終戦で7年連続の2桁10勝を挙げ、現役20年目を終了。8日の紅白戦で3イニングを投げ、実戦調整を終えた。10日の練習中には、険しい表情でキャッチボールを中断するシーンも。慢性的に右肩痛を抱えるだけに、影響は否定できない。

 その点について「マウンドには、いつもと変わらない状態で上がれました」とだけ答えた。緒方監督は「立ち上がりから力のある球を投げていた中で2死からね。3点目で重い展開になったかな」と振り返った。

 攻撃陣も井納の前に沈黙し、最後まで援護できなかった。痛恨の零敗。それでもまだ1敗したに過ぎず、優位性は変わらない。黒田は言った。

 「この後の登板はわからないけど、1つ負けただけなので切り替えたい。1つ負けたぐらいで、皆の気持ちは変わらない」

 25年ぶりの日本シリーズ進出へ。ベテランはナインに第4戦の快勝を期待する中で、次なる大舞台での雪辱を誓っていた。(江尾 卓也)

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2016年10月15日のニュース