広島はミスを取り返す「軍団」 球団初V決めた記念日に歓喜を

[ 2016年10月15日 10:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第3戦 ( 2016年10月14日    マツダ )

<広・D>6回1死一塁、一走・田中は飛び出し二塁でアウトになる。野手・石川
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 【内田雅也の追球】広島のスターだった山本浩二選手が中学生の野球大会に訪れ、少年たちに訓示する。広島が初優勝に向けて突っ走る1975年(昭和50)秋のことだ。「去年までずーっと最下位じゃったカープが、なしてこがあに強うなったか、わかるか?」

 少年たちはいくつか答えを出した後、厳かに正解を告げる。

 「軍団になったからじゃ」

 重松清氏の小説『赤ヘル1975』(講談社)の一シーンだ。実話ではないが山本浩二氏は「近いことなら(話した)」と自著で認めている。軍団とは戦う集団をいう。話は野球の本質を突き、協同の精神に及んだ。

 「誰かがミスをしても、みんなでそれを取り返していきゃあええ」

 この夜の広島は“らしくない”ミスがいつくか見られた。1回裏無死一塁で菊池は凡飛を上げてしまった。4回裏1死一塁、鈴木の二盗憤死は井納のクイック(あの投球は格別速かった)と自身のスタートを思えば、自重すべきだった。6回裏無死一塁、田中はワンバウンド投球に中途半端に飛び出し、憤死した。

 緒方監督は「ミスの反省を踏まえて、明日に臨みたい」と話した。好機に一打が出なかった新井も「反省すべき点は反省して明日に備えます」と前を向いていた。ミスを全員で取り返す姿勢ができている。今年の広島もまた「軍団」なのだ。

 小説では新聞記者志望の中学生が「『明日こそ』いうんは今日負けたモンにしか言えん台詞(せりふ)じゃけえ」と名言を吐く。

 15日は、あの75年、球団初優勝を決めた記念日だ。天気予報は晴れを告げている。赤く染まった超満員のスタジアム、秋晴れ、青空の下でのデーゲーム。舞台は整った。(スポニチ編集委員)

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