初回先頭の西川11球粘って主導権 栗山監督「1打席で試合を支配」

[ 2016年10月15日 06:18 ]

パ・リーグCSファイナルS第3戦 ( 2016年10月14日    札幌D )

<日・ソ>1回2死一、三塁、近藤の先制左前適時打で生還した西川(左)を出迎える栗山監督
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 何よりも価値のある四球だ。試合後、日本ハム・栗山監督は真っ先に西川の名前を挙げた。「あれだけの球数を投げさせてスタートできた。たった1打席で試合を支配できる」。初回、先頭で3ボール1ストライクから6球連続ファウルで粘った末に四球を選んだ。

 150キロ超の剛速球と落差あるフォークで千賀は今季12勝を挙げたが、球数が100球近くに来ると、変化球が浮く傾向がある。「千賀攻略」は序盤から球数を投げさせることがポイントだった。西川は振り返る。「打つだけでは塁に出られない。厳しい球は当てるのが、精いっぱいだったが投手は嫌がっていた」。剛腕にいきなり11球を投げさせた上で塁に出た。

 日本ハムには10年以上前から脈々と受け継がれる「2ストライクアプローチ」という戦術がある。追い込まれたら、ミートポイントを近づけて逆方向へのファウルで粘る。これによって四球で出塁率は上がり、相手投手の球数も増えていく。

 ファウル打ちは同僚の中島が有名だが、西川も凄い。今季ファウル数は481でリーグ6位。さらに1打席あたりの平均球数は4・39球で、中島の4・54球に次いでリーグ2位だった。強さの理由は、こんなところにもある。(横市 勇)

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2016年10月15日のニュース