先発&救援にフル回転 広島25年ぶりVを陰で支えた3年目右腕

[ 2016年10月15日 09:30 ]

チームを陰ながら支えた広島・九里
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 広島カープが25年ぶりとなる日本シリーズ進出をかけて、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージを戦っている。今季の広島を陰ながら支えた選手として、私は3年目の九里亜蓮の名を挙げたい。今季は2勝2敗、防御率4・50。成績自体は目立たないが、自身最多の27試合に登板してそのうち10戦に先発と、役割を問わずにフル回転した。

 「今年は真っすぐの質や強さを求めてやってきました。真っすぐを投げきる、という点で去年までと比べて進歩できたと思います。ただ、先発したときにチームに勝ちを付けられていない試合が多かったのは今後改善したいです」

 収穫と課題を口にする。先発時のチームの勝敗は5勝5敗の五分。勝率・631で終えたチームの勝率と比べると見劣りはするが、決して足は引っ張っていない。畝投手コーチも「先発が足りなかった中でよくやってくれた。中継ぎで投げて、すぐに先発という場面でも頑張ってくれた」と評価する。救援登板から中3日で先発2回。同じく中4日で先発したのも2試合。この4戦では1勝0敗、防御率3・32と奮闘した。

 救援登板17度も、右肘の故障明けだった大瀬良や、右前腕部の故障明けだった一岡などの負担を減らした。投球回数80は、球団ではジョンソン、野村、黒田、岡田、ヘーゲンズに次いで6番目に多い。「中継ぎ陣の負担軽減」「イニングイーター」として、その存在の意味は大きかった。

 そんな縁の下の力持ちには“プレゼント”もあった。5月26日の巨人戦(マツダ)で6回2失点。新人だった14年以来2年ぶりとなるプロ3勝目を挙げた。それでも「正直、ホッとした部分も、自信になった部分もないですね。もっともっとレベルアップしないといけないので」と振り返る。今年はあくまで来年の飛躍への足掛かりだ。

 その前に“忘れ物”を取り返したい。「チームが優勝したのはうれしいことですけど、ビールかけはテレビの前で見ることになって悔しい思いをしました。今度は日本一になって参加したいです。そこに行くまでにチームに貢献しないといけない」。9月2日に今季初となる登録抹消をされたことにより、同10日の優勝決定日は1軍に帯同していなかった。悔しさを力に変える覚悟だ。

 自身CS初登板を14日のCSファイナルS第3戦で果たした。0―3の8回から登板し、DeNA・梶谷を空振り三振に斬るなど1イニング無安打無失点の好救援だった。歓喜の美酒を浴びるため、九里は日本シリーズ終了まで懸命に腕を振る。(記者コラム・柳澤 元紀)

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