また150キロ!望月に掛布監督期待「もっとやれる」

[ 2016年10月11日 07:21 ]

<フェニックスリーグ 神・巨>望月は気迫の投球で巨人打線を7回2失点に抑える
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 阪神のドラフト4位ルーキー望月惇志投手(19)が10日、宮崎で行われている「フェニックス・リーグ」巨人戦(アイビー)に先発し、7回2失点と好投。最速150キロをマークし、初めての“G倒”を成し遂げた。掛布雅之2軍監督(61)は辛口評価だったが、それも期待の裏返し。1日の1軍今季最終戦で鮮烈デビューを果たした大型右腕が、潜在能力の高さを改めて示した。

 強い日差しが差し込む宮崎のマウンドで、望月が懸命に腕を振った。フェニックス・リーグ2度目の登板で、2軍では初対戦だった巨人に7回2失点。6奪三振115球の熱投で勝ち投手となった19歳は、冷静に自らの投球を分析した。

 「(失点した)7回は意図を持って投げたので、打たれたのは実力不足です。でも、真っすぐでファウルも多く取れましたし、悪くはなかったと思います」

 アクシデントを乗り越えた。4―0で迎えた7回のマウンド。1死から味方の失策と死球で一、二塁のピンチを背負った。続く代打・坂口の打球は、捕球しようとした望月の右手を強襲する中前打となった。内野陣とトレーナー、高橋2軍投手コーチがマウンドに集まったが、すぐに投球練習を再開して続投。満塁から9番・川相に左前2点適時打を浴びたが、後続の1番・高橋洸、3番・辻から三振を奪った。

 「彼の能力を考えると、これで満足してはいけない。もっと三振をとれた。相手打者の実力を考えると物足りないよね」

 並の新人なら及第点を与えられる内容でも、掛布2軍監督の評価は辛口だった。無理もない。許した5安打は全て育成選手に打たれてのもの。潜在能力を誰よりも知る指揮官にしてみれば、力で圧倒する投球を期待していたのだろう。そう、チームにとって望月は「超期待」の存在。試合後の会見からは、そんな心境が垣間見えた。

 プロ入り後のモチベーションの一つが、中日・小笠原の存在だ。同じ神奈川の高校出身で同学年。ただ、小笠原が高3夏の甲子園で優勝したのに対し、自身は県大会5回戦で敗退した。親交もないが、5月31日のソフトバンク戦で1軍デビューしたライバルに大きな刺激を受けた。「すごく遠い存在でした。でも『自分も同じ舞台にいる。もっと頑張らないと』と改めて思ったんです」。6月以降、2軍で先発に定着するなどの成長を見せ、1日の巨人戦では念願の1軍デビュー。最速153キロと宿敵に負けず劣らずの投球で、虎党のハートをつかんだ。

 幸い、打球を受けた右手母指球は打撲で、大事には至らなかった。「痛みはベンチに帰ってから思い出したというぐらいです。捕っていたらゲッツーだったなという思いが強かったです」。弱みを一切見せない姿勢も、未来のエース候補にふさわしい。超変革の申し子として、来季は1軍のローテ定着を目指す。(巻木 周平)

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2016年10月11日のニュース