【中畑清の視点】熱すぎる応援合戦に度胆抜かれた「ここはハマスタか」

[ 2016年10月11日 10:22 ]

セ・リーグCSファーストS第3戦 ( 2016年10月10日    東京D )

<巨・D>歓喜のDeNAファン
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 梶谷の死球退場がロペスの先制2ランを呼び、これまた死球でいったん担架に乗ってベンチ裏へ下がった村田が同点弾を放つ。そして倉本の打球を右足首に受けた沢村が退場してDeNAに決勝点…。アクシデントが流れをつくった試合。スタンドが生み出す「音の効果」が凄かったな。

 ここはハマスタかと錯覚するようなDeNAファンの熱い応援。梶谷死球を意識したのか、石田の初球が坂本の頭部付近を襲うと巨人ファンが大ブーイングを送る。ワンプレー、ワンプレーにスタンド全体が集中。東京ドームでは珍しい応援合戦が、野球の魅力を全部詰め込んだ試合を演出してくれたような気がする。

 最終的にDeNAに勝利を呼び込んだのは倉本の沢村強襲打。決勝点を叩き出したのは、入団3年目の嶺井だった。肩やリードなど捕手としては課題もあるが、打撃には意外性の魅力がある。1年目にはスイッチにも挑戦したけど、本人が「右一本でやらせてください」と申し出てきた。今季は戸柱の加入で2軍が長かったが、右の田原誠の初球を捉えた決勝打。あの場面で初球からはなかなか打ちにいけない。3戦トータルでも目立ったベイスターズの積極性。ベンチにそういう空気があるんだよね。

 スタンドと一体となって勝ち取ったファイナルS進出。真っ赤に燃えるマツダスタジアムはどんな雰囲気になるか。楽しみだねえ。

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2016年10月11日のニュース