由伸監督の決断 沢村外しマシソン9回続投「勝つための最善」

[ 2016年10月10日 05:30 ]

セ・リーグCSファーストS第2戦 ( 2016年10月9日    東京D )

<巨・D>8、9回を抑えたマシソン(左)を出迎える巨人・高橋監督
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 東京ドームにどよめきが走った。待望の勝ち越し点を挙げた直後の9回。マウンドに向かったのは、巨人守護神の沢村ではない。マシソンだった。8回から登板していた助っ人右腕の続投。高橋監督に迷いはなかった。

 「勝つための最善と思って、そうしました」。わずかなほころびさえ命取りの短期決戦。指揮官は勝負に徹した。前日の初戦。2―3で9回に投入した沢村はロペスにソロを浴びるなど2点を失い、勝敗は決した。2四球を含めて31球で13球がボールと制球にも不安を残した。迎えたこの日。8回に2番・梶谷、4番・筒香から空振り三振を奪ったマシソンに9回も託した。2回を1安打無失点で勝ち投手になった助っ人は「時々、自分が手助けできればいい。彼(沢村)がこのチームのクローザーだし、そうであるべき。彼がいい時は彼を上回るクローザーはいない」と気遣った。

 高橋監督は決断の理由を「短期(決戦)というか、今日に関しては、ですかね」と言葉を濁したが、村田ヘッドコーチが「沢村よりマシソンが安定している。俺らベンチはそう見たということ。いい方でいく」と補足した。沢村は抑え転向2年目。37セーブで最多セーブのタイトルを獲得したが、8月以降は防御率4・81と不調だった。レギュラーシーズン最後の登板となった1日の阪神戦(甲子園)では今季8度目のセーブ失敗。さらに前日の投球内容も踏まえ、指揮官は決断をした。

 後のない戦い。「方程式」へのこだわりを捨て、勝機を見定めた。今後は点差や、マシソンと沢村の状態を見極めての起用かと問われ「そうなると思う」とした指揮官。「内容うんぬんより、何とか今日勝てたということが全て。ある力を全て出して戦いたい」。結果が全て。そのためなら非情にもなる。その思いを巨人ナインに伝えた采配でもあった。 (春川 英樹)

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