ソフトB工藤監督 起用ズバリ!練習見て抜てき明石が超技あり同点打

[ 2016年10月10日 05:42 ]

パ・リーグCSファーストS第2戦 ( 2016年10月9日    ヤフオクD )

<ソ・ロ>4回2死二塁、石川から左前適時打を放つ明石
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 パ・リーグは9日、2位のソフトバンクが3位・ロッテに4―1で勝って2連勝とし、3年連続でのファイナルステージ進出を決めた。同点の5回に本多雄一内野手(31)が決勝打を放ち、リック・バンデンハーク投手(31)が6回1失点で白星を挙げた。12日からのファイナルステージでリーグ覇者の日本ハムと対戦。最大11・5ゲーム差を逆転され、リーグ3連覇を阻まれた宿敵への雪辱戦となる。

 お立ち台に上がった工藤監督のちゃめっ気たっぷりのセリフに本拠地が沸いた。

 「昨日もホームランで先制された。昨日と同じパターンなので逆転できると思っていました」。ニヤリと笑ったが、本心ではなかった。初回、清田に2試合連続で先頭打者弾を浴びたが、連日の逆転勝ち。「先制点は痛かった。ただ、立ち上がりだったし、挽回できると思っていた」。観客の目がなくなったベンチ裏では本音を漏らした。

 0―1の4回2死二塁。今CS初起用の7番・明石が左前に同点打を放った。追い込まれたが3球続けてファウルで粘った。8球目、内角の142キロ直球は厳しいコースだったが左肘を左脇にくっつけるように極端に畳んだ。「もうできません」と打った本人も驚くほどの曲打ちだった。

 練習前に行われた首脳陣ミーティングでは、実は明石を先発起用しない違うプランもあった。強く推したのは、工藤監督だった。「練習の感じが良かったし、逆方向にいい当たりをしていた」。その起用がズバリと的中。期待に応えたプロ13年目の30歳は「(先発の)想像はしてなかったけど、いつも準備だけはしている」と胸を張った。

 引き分けでもCSファイナルS進出が決まる試合。暗雲を払った同点打は、チームに勇気を与える。今度は本多の曲打ちだ。1―1の5回1死三塁でワンバウンドしそうなカーブを右前へ運んだ。決勝の適時打を放った2番打者は「本当の笑顔が出ました」と重圧に打ち勝った喜びに浸った。

 勝ってファイナルS進出を決めた場合ヒーローインタビューは行わず、工藤監督が代表で話す段取りだった。しかし、指揮官は「ヒーローは選手なんだから選手を先にしゃべらせてあげてほしい」と自身よりも先に明石、本多の2人をお立ち台に上げた。選手がつないでくれた夢への、せめてもの礼だった。

 「ここ(ヤフオクドーム)に戻ってくる。そういう気持ちを常に持って戦いたい」

 CSでは14年のファイナルSから両リーグ最多タイとなる6連勝。勢いを取り戻し、リーグ3連覇を阻まれた日本ハムへのリベンジに向け、北の大地へ飛ぶ。 (福浦 健太郎)

 ▼ソフトバンク・王貞治球団会長 2試合ともしんどい試合だったけど。中継ぎが頑張ってこっちの展開にできた。この勢いで札幌に行きたいね。

 ≪ポストシーズンは工藤監督9勝1敗≫シーズン2位のソフトバンクが2勝0敗でファイナルS進出を決めた。パのファーストSで2勝0敗の突破は11年西武以来。2位チームの突破は09年楽天以来7年ぶりとなった。ソフトバンクは14年ファイナルS第6戦からこれでCS6連勝。プレーオフとCSで6連勝は79~80年近鉄、07~08年中日、12~13年巨人と並ぶ最多タイ。工藤監督就任後の15年以降は5戦全勝、日本シリーズと合わせポストシーズン9勝1敗と圧倒的な強さ。ファイナルSではパで10年ロッテ以来となる下位からの日本シリーズ進出を目指す。

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