DeNA筒香 「勝つ」9連発で初CS突破誓った まずは打倒巨人

[ 2016年10月8日 06:14 ]

セ・リーグCSファーストS第1戦 ( 2016年10月8日    東京D )

秋空を背に笑顔のDeNA・筒香
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 プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は8日にセ、パ両リーグのファーストステージが開幕する。セはレギュラーシーズン3位で12球団ラストのCS初出場を果たしたDeNAが、2位の巨人と東京ドームで激突。7日は横浜スタジアムで調整し、今季44本塁打、110打点でリーグ2冠王の筒香嘉智外野手(24)は「勝つ」というフレーズを9度も発して熱い決意を示した。

 筒香は打撃練習を終えると、後方で練習を見ていたラミレス監督のもとに歩み寄った。20秒ほど談笑。そして、お互いの右拳を合わせた。巨人撃破の「勝利」を誓う、力強いグータッチだった。

 「シーズンと同様にチームの勝利に貢献できるようにやるだけ」「必ず巨人に勝って、広島に行けるように勝ちゲームにしたい」「勝つしかない。それだけを目指してやってきた」――。

 取材に対し、「勝つ」、またはそれに類するフレーズを使ったのは実に9回。言葉のそこかしこに、狙うターゲットをちりばめた。球史に残る94年の「10・8」決戦では巨人・長嶋監督が「勝つ、勝つ、勝つ!」とナインを鼓舞したエピソードが残る。筒香も主将らしい決意を、これでもかとあふれさせた。「いつもと変わらない心境です」と平常心を強調しながら、球団初のCSを前に自然と気合が入っていた。

 「いい準備ができた。コンディションは整っている」。フリー打撃では29スイング中、柵越えは4本。ミートに主眼を置いた最終調整を行った。1日からの社会人チームとの練習試合では4試合で7打数4安打、1本塁打。四球も5つ選んだ。リーグ2冠を獲得した打棒は好調を維持する。

 初戦の巨人先発は絶対的な存在だった菅野からマイコラスに代わることが濃厚となったが、「特に何もないです」と一蹴した。東京ドームでは最高の感触でレギュラーシーズンを終えている。9月23日、最終打席で内角高めの球を逆方向の左翼席へ運ぶ42号アーチとし、「初めての感覚」と手応えを語った。「長い時間やってきたことが、やっと自分の中でできつつある」。大舞台でもそれを発揮するだけだ。

 ラミレス監督からは「ファーストステージを勝ち抜いたら、大きなケーキを用意してほしい」と異例の要請があった。指揮官は3日が42歳の誕生日。横浜スタジアムで練習試合があった日だったが、楽しみにしていた誕生日ケーキは用意されず「多くの人が僕のバースデーを忘れていたね。あの日は静かに過ぎていったよ…」と残念がっていた。ケーキもさることながら、もっと喜んでもらえる「勝利」を贈る。それが主将の務めだ。 (中村 文香)

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