プロ野球の信用失墜…元巨人・笠原被告に懲役1年2月、執行猶予4年

[ 2016年10月6日 06:00 ]

笠原将生被告
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 プロ野球巨人の野球賭博事件で、賭博開帳図利ほう助と常習賭博の罪に問われた元選手笠原将生被告(25)に、東京地裁(細谷泰暢裁判官)は5日、懲役1年2月、執行猶予4年(求刑懲役1年2月)の判決を言い渡した。胴元役として賭博開帳図利罪に問われた元飲食店経営斉藤聡被告(38)は懲役1年6月、執行猶予4年(同懲役1年6月)とした。

 笠原被告は、グレーのピンストライプが入った黒のスーツに、濃紺のネクタイで入廷。終始、硬い表情で正面を見据えていた。判決文で裁判官は「読売巨人軍の当時の現役選手」として野球賭博に関わったことは社会的影響が大きいとし、「多くのファンを擁するプロ野球の信用を失墜させた」と指摘。その間、笠原被告は周囲を探るように視線だけを動かした。

 大胴元、中胴元など暴力団関係者の存在も見える組織の中で小胴元の役割を担ったとされた斉藤被告は紺のスーツ姿で、じっと主文に聞き入った。法廷で2人が目を合わせることはなかった。

 判決によると、笠原被告は2014年9月~15年8月にプロ野球や高校野球の試合を対象に、当時の巨人選手から賭け金を集めるなど斉藤被告の賭博を手助けしたほか、自らも計450万円を賭けた。斉藤被告は14年5月~15年8月にプロ野球など計12試合を対象に笠原被告らに賭けをさせ、野球賭博を開いた。

 笠原被告に執行猶予が付いた理由については(1)捜査への協力(2)反省の姿勢(3)読売巨人軍を解雇されるなど社会的制裁を受けたことを挙げ、両親が今後を観察することを約束したことも付け加えた。

 公判で弁護側が賭博場は存在しないと主張したが、斉藤被告が経営する都内の飲食店がそれに当たると判断した。

 今回の事件に関連し、警視庁は斉藤被告に賭博をさせたとして指定暴力団山口組系幹部ら計3人を賭博開帳図利容疑で逮捕。当時巨人の現役選手だった福田聡志元投手(33)、松本竜也元投手(23)、高木京介元投手(27)の3人も賭博の罪で罰金の略式命令を受けた。

 ◇巨人の野球賭博事件 笠原将生被告と、福田聡志、松本竜也、高木京介の4元選手が野球賭博をしていたことが昨年10月から相次いで発覚。警視庁は今年4月、賭博開帳図利容疑などで胴元役の斉藤聡元飲食店経営者と手助けしていた笠原元選手を逮捕し、7月に賭博開帳図利容疑で別の胴元役の男2人を逮捕。8月には福田、松本、高木の3元選手が罰金20万~40万円の略式命令を受け納付した。さらに警視庁は9月、賭博開帳図利容疑で指定暴力団山口組系組幹部ら3人を逮捕した。

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