108年ぶり世界一へムネ意気込み「ヤギの呪い」ぶっ飛ばす

[ 2016年10月6日 08:06 ]

マルティネス・ベンチコーチ(左)と優勝を喜ぶ川崎
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 カブスの川崎宗則内野手(35)が、2年連続でシャンパンファイトを経験した。新天地で迎えた今季はメジャー出場は米5年目で最少の14試合にとどまったが、9月は攻守で存在感を発揮。両リーグ最高の103勝を挙げたチームは、1908年以来、108年ぶりの世界一を目指す。ムードメーカーとしても欠かせない川崎が、大好評の本人責任編集「チェストーーク」で、シーズンを振り返るとともに、ポストシーズンへの意気込みを語った。

 昨年のブルージェイズに続いて、今年もカブスでシャンパンファイトを経験できたことは本当にありがたいし、うれしかった!またまた目が痛かったけど、それもめったに味わえない痛みですから。それにしても今年のカブスは強かった。個々のレベルが高くて、それがうまくまとまっている。「史上最強」と言ってもいいんじゃないかな。

 僕はシーズン開幕は3Aアイオワだったな。4月のアイオワは寒かったのを覚えている。今季も楽しい仲間に恵まれ、一緒に野球ができたのは幸せだった。でも、疲れたね。特にバス移動が過酷。8月29日からナッシュビルへのシーズン最後の遠征は今季ワーストの事件が起きた。予定では2台に分かれて10時間のバスの旅だったけど、途中で1台が故障して真夜中にフリーウエーで立ち往生。結局、1台に無理やり大男たちを詰め込んで出発したけど、バスの中はぎゅうぎゅう。到着は朝9時で、15時間もかかった。あれは災難だった。もう35歳だし、その日は試合も休ませてくれるかなと思ってラインアップ表を見たら、当然スタメン!はい、容赦なし。いろんな意味で持っている男が川崎宗則です。

 カブスのジョー・マドン監督は最高の指揮官だね。マイナー行きを告げられた時も監督室で一緒にワインを飲んだ。キャンプの時からさまざまなアイデアでチームを盛り上げて、選手全員で80年代の格好で練習したり、練習に運動会のような競技を取り入れたり。シーズン終盤、新人恒例の仮装儀式の時も、チアリーダーの格好をさせられたルーキーたちを盛り上げようと、みんなでアメフットのジャージーを着て移動した。知的でユーモアもあって、私服もオシャレ。ジョーの下で野球ができて、彼が名将と呼ばれる理由が分かった。

 さあ、いよいよプレーオフの幕開け!僕らは108年ぶりのワールドシリーズ制覇に向け、チーム一丸で頑張ります。ここまで世界一から遠ざかっているのは「ヤギの呪い」とか言われているけど、そんなの「ムネの呪い」で終わらせます。ヤギよりもムネの方が怖いと教えてやりますよ。Let’s Go Cubs!チェスト!

 ▽ヤギの呪い カブスは1945年のワールドシリーズで、本拠リグリー・フィールドでの第4戦でヤギを連れていたファンの入場を拒否した。その試合から3連敗で敗れ、同年以降は一度もワールドシリーズ進出を果たしていないことから「ヤギの呪い」として知られる。昨年はリーグ優勝決定シリーズでメッツに4連敗。全試合で本塁打を打たれMVPとなったのがマーフィー。入場を拒否されたヤギの名前が「マーフィー」だったため、再び呪いが注目を集めた。

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