阪神・鶴岡 晴れ晴れ引退会見 藤浪と「出会えたのは良かった」

[ 2016年9月30日 05:30 ]

鶴岡は引退会見を終え花束を手に一礼する

 阪神・鶴岡一成捕手(39)が29日、兵庫県西宮市内の球団事務所で会見を開き、今季限りでの現役引退を表明した。21年間に渡って横浜(DeNA)、巨人、阪神の3球団でプレー。捕手一筋のプロ野球人生に幕を閉じた。

 「ホッとしている部分と、やっぱり野球が大好きだったなという気持ちです」

 晴れ晴れとした表情で心境を明かした。FA移籍した久保康の人的補償として14年1月に阪神へ加入。当時のゼネラルマネジャー(GM)で昨秋に死去した中村勝広氏が高く評価して獲得した経緯があり、猛虎へ導いてくれた恩人への感謝を忘れることはなかった。

 「タイガースのユニホームを着られるとは思っていなかった。日本一になりたいというか、勝ちたかった。良い報告ができればいいなと思っていましたが…。来年、今の選手たちが良い報告をしてもらえたらと思う」

 心残りとなった「日本一」の夢は後輩たちに託した。堅実なリードで若手投手の成長を助け、特に藤浪とは捕手陣の中で最も多くバッテリーを組んだ。今季を含む3年間で藤浪の先発登板日では通算33度の先発マスクを務め、19勝6敗で勝率・760。それだけに感慨深げだった。

 「受けてて手も腫れるし、どこに投げてくるか分からないし。でも、ポテンシャルはすごく高くて。逆に僕の方が引っ張ってもらった。そういうピッチャーに出会えたのは良かった」

 26日に引退の意向を球団に申し出て、了承された。古巣の巨人と対戦する10月1日の今季最終戦(甲子園)での引退試合を打診されて固辞。前日28日にオリックスとの2軍練習試合で先発出場して区切りをつけた。捕手らしく最後まで黒子に徹し、ユニホームを脱いだ。 (山本 浩之)

 ◆鶴岡 一成(つるおか・かずなり)1977年(昭52)5月30日生まれ、兵庫県出身の39歳。神港学園では3年春に主将で甲子園出場。95年ドラフト5位で横浜(現DeNA)に入団。08年シーズン途中に巨人へトレード移籍し、12年にFAでDeNAに復帰。14年1月、久保FA移籍による人的補償で阪神へ。同年、呉昇桓(オスンファン)との抑えバッテリーで日本シリーズ進出に貢献。1メートル84、85キロ。右投げ右打ち。

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2016年9月30日のニュース