マドンナジャパンに新風 20歳・小島也弥、W杯で確かな存在感

[ 2016年9月28日 12:41 ]

W杯釜山大会で下位打線ながら存在感を示した侍ジャパン女子代表・小島

 侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」が、第7回WBSC女子野球ワールドカップ(W杯)釜山大会で史上初の5連覇を達成した。3勝を挙げて2大会連続MVPを獲得したエース右腕・里や、4番で打率5割をマークした川端らは本来の力をいかんなく発揮。加えて、20人中8人を占めたW杯初選出メンバーが伸び伸びと力を出し切ったことも快進撃の要因となった。

 中でも、今後に期待を抱かせる活躍をしたのが8試合中7試合に出場した小島也弥(やや)外野手(環太平洋大)だ。身長はチーム最小兵の1メートル54で、クリッとした瞳が印象的な20歳。今大会は主に下位を打ちながら18打数8安打6打点で打率・444をマーク。カナダとの決勝は2打数無安打2三振と悔しい結果に終わったが、大会を通じて確かな存在感を示した。

 島根県松江市出身。父・一文さん、兄・大知さんの影響で野球を始め、小学校時代は軟式の玉湯ジャイアンツに所属。中学時代は松江市立宍道中の軟式野球部で男子に交じり唯一の女子選手としてプレーし、1年秋からレギュラーを獲得した。地元の陸上大会で駅伝チームの“助っ人”として走ったこともある小島は、野球に限らず勝負事では負けたくなかった。一文さんは「体は小さかったけど負けず嫌い。中学時代、ロードレースでは男子に負けるのが嫌で、前のめりになって気持ちで走っていた姿を思い出しますね。男の子に負けるのが嫌いな子供でした」と振り返る。

 小島はその後、女子野球の名門・京都両洋高を経て、マドンナジャパンの大倉孝一監督が指揮を執る環太平洋大に進学。順調に成長を続け、20歳で日の丸を背負った。今大会は一文さんと母・靖子さん、姉・弓依さんが現地で応援。「也弥は小中高大と、結果に出ないところの頑張りを見てくれる指導者と巡り会えたと思います」。名前の「やや」にちなんだ背番号88のTシャツを着て優勝の瞬間を見届けた一文さんは、笑顔でそう話した。

 マドンナジャパンに新たな風を吹き込んだ小島だが、根っからの「負けず嫌い」である彼女は早くも次の18年W杯を見据えている。2年後は22歳。日本の6連覇と自身2大会連続の代表入りを目指して、マドンナの新星は成長し続ける。(記者コラム・原田 真奈子)

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2016年9月28日のニュース